タイのバンコクで開催された国際会議ICTIS2025で論文発表しました
2025年4月11日 (金) 投稿者: CSスタッフ
大学院CS専攻の修士2年のクラウド・分散研究室の平尾真斗です.私は,現在行っている修士研究を英語論文としてまとめて,国際会議 9th International Conference on Information and Communication Technology for Intelligent Systems 2025(ICTIS2025) に投稿してAcceptされました.この論文発表のために,2025年4月4日から6日までタイのバンコクに出張しました.この国際会議は,Physical版とVirtual版の大きく2つに分かれていました.Physical版は,4月4日にバンコクのBangkok Marriott Hotel Sukhumvitを会場にして行われ,Virtual版は4月5-6日にZoomで行われました.私は,Physical版で現地のバンコクで論文発表しました.この国際会議の主な参加者は,博士課程と修士課程,学部の学生,大学教員,研究機関研究者でした.
論文発表
発表した論文のタイトルは,” Reduction of redundant alerts by relationship discovery based on port usage” です.この研究の目的は,監視システムから通知されるアラートの中で障害発生箇所を示すアラートのみを限定して通知することです.監視システムは,事前に設定したルールを使って障害発生時にアラートの通知を行います.オンコールエンジニアは,監視システムから通知されたアラートがあると,障害発生箇所の切り分けを行い,2次対応するエンジニアにエスカレーションを行ないます.障害が発生したときに障害発生箇所以外の監視対象から複数のアラートが通知されると,オンコールエンジニアは,複数のアラートが出ているため,原因箇所を特定するための時間がかかります.障害があったときに障害箇所以外から複数のアラートが同時に通知されるというユースケースシナリオです.修士研究の提案は,監視対象のサーバにあるアプリケーションが,他の対象のサーバに接続している数を重みとしてカウントしておいて,複数のアラートが同時に通知された際に,重みの値が最も高い対象のサーバからのアラートだけに限定するフィルタリングをします.この処理を行うことによって,オンコールエンジニアに通知されるアラートを障害発生箇所だけに限定することができます.その結果,障害箇所の特定する時間を短くすることができます.
国際会議の論文発表は,発表時間が10分で質疑応答が2分でした.私の論文発表は,4月4日の午後 4:30からで,自分の発表時間までは,他の発表を聞いたり発表練習をしていました.自分の発表では,時間を10分にすることができ,その後,質問を1ついただきました.発表で,めちゃくちゃ緊張していたことと,スライドに説明したい内容を詰め込みすぎたために,早口になってしまったのが,反省点です.また,質問に関しては,英語で話をしている内容がうまく聞き取れず,助けてもらいながら解答しました.英語でしたが,質問に対して的確に解答できなかったことで,自分自身の未熟さを痛感しました.他の発表者は,博士課程の学生が多いこともあって,英語での質疑応答にも問題なく対応していました.スライド発表するときは,簡潔に伝えたいことをまとめることの大切さを知ることができました.
発表後
発表後の夕方にホテルの最上階のRooftop Barで国際会議の参加者での交流会がありました.この交流会で,ドリンクを飲みながら他国の学生と英語で話をしました.この国際会議では日本人学生は,私だけした.最初,英語で話すことに苦手意識がありました.試しに話してみると,意外と話した内容を理解してもらうことができて話が弾みました.「どこ出身?」,「研究は何?」,「今博士課程の学生?」みたいな質問をメインでして,そこから話の内容を広めてみました.また,わからないことは,その都度,Google翻訳を使用して調べてみることで対応しました.最初に勇気を持って話してみることで,わからなくても積極的に話すことの大切さが理解できた,よい経験になりました.
交流会終了後は,ホテルに戻りました.宿泊したホテルの部屋が,すごく広くてベットもふかふかだったので,すぐ寝ちゃいました.ホテルの朝食は,日本ではあまりみないフルーツやタイ米をよく食べました.味も最高でしたね.ちなみに僕は,朝食ではインドカレーばっかり食べてました.
タイの風景
空いた時間に,バンコクの市内観光をしました.左下の図がタイで最も有名な寺院であるワットプラケオです.建物がとにかく派手で日本のお寺とは違う魅力を感じました.右側の図の建物は,タイの王族が昔住んでいた王宮です.建物の作りをよくみてみると西洋風とも取れる模様が入っていたりして不思議な建物だと思いましたね.
バンコクの町の特徴としては,車やバイクの往来がとても多いと感じました.左の図にあるように車や,バイク,トゥクトゥクがいましたね.僕自身もトゥクトゥクに乗ってバンコク市内を移動しました.また,町中に屋台がとても多いです.右の図みたいな屋台が,あり食べるものに関しては困らなかったですね.
タイ料理はどれも絶品でした.左下の料理がパッタイで,米粉の麺を使った料理なのですが,スパイシーでとてもおいしかったです.右の図の料理は,マンゴースティキーライスで,切ったマンゴーと餅米で,日本にはあまりない組み合わせだなと思いました.でもこれうまいのでタイに来た際は,ぜひ食べてみてください.
国際会議を終えて
国際会議に参加したことで,自分の考えや伝えたい内容を正確に英語で伝えることの難しさを改めて実感しました.特に発表の際には,自分が伝えたい情報を詰め込みすぎてしまい,結果として早口になってしまった点は反省すべき点だと感じています.そのため,今後は「どこが課題なのか」「自分の提案はどのようなコンセプトにもとづいているのか」といった要点を整理し,聞き手にとってわかりやすく伝える工夫が必要です.
また,質疑応答やディスカッションの場面では,相手の質問を正確に聞き取り,その意図を瞬時に理解して答えるというスキルが求められますが,自分にはまだその力が十分に備わっていないことを痛感しました.特に、専門用語を含んだ質問や,英語特有の言い回しに戸惑う場面があり,リスニング力や柔軟な表現力をさらに高める必要性を感じました.
それでも世界中の研究者たちと直接意見交換できたことは,非常に刺激的で,自分の研究を外に向けて発信することの重要性とやりがいを再確認する貴重な経験になりました.今回の論文発表で得た気づきや反省点を,今後の研究活動やプレゼンテーションに活かして,研究内容がより伝わる発表ができるよう努めていきたいと思います.
2025年4月11日 (金)