音の豆知識
2009年8月31日 (月)
<車の音>
私達の生活の中には,人が作った音や自然界の音などさまざまな種類の音があります。工場の機械の音,自動車の騒音,航空機の騒音,電車の騒音,空調の音などは,人が作った(騒)音といえるでしょう。このような騒音は,できるだけ小さい方が環境に良いわけです。
自動車の車外への騒音は,国が法律によって音の大きさを規制しています。この規制を守る為に自動車会社では,設計変更や実験の繰り返しによって多くの音対策をしてきました。その対策費用の一部は,車の値段にも反映されています。このような規制をクリアした車ですが,近づいてくればその音はよくわかりますから,街中を走行すると歩行者も車に気をつけてくれます。
最近はハイブリッド車や電気自動車などモータで走る車が出現し,低公害で燃費が良いため急速に普及しつつあります。しかし,低速度では車が近づいても気づかないことがあり,事故に繋がるのではないかと心配されています。そのため,車が近づいていることを知らせる警告音を出そうと研究が進められているようです。今までとは反対に,静かになりすぎて困るという皮肉なことがおきています。
<水琴窟>
楽器や風鈴,水琴窟など人が積極的に心を傾ける音もあります。能舞台や建物にも積極的に好みの音を出す工夫がされています。
読者の皆さんは実際に水琴窟の音を聞いたことがありますか。筆者は最近甲府市にある水琴窟の音を聞く機会がありました。音が聞こえる筒に耳をつけ,その音を聞きました。思っていたより小さな微かな音で,音の発生する間隔も予想したより長く感じました。いつもこれくらい微かな音なのかは,わかりません。機会があったらもう一度確かめに行きたいと思っています。
水琴窟は地面の中に壷を埋め,その壷の中に一定量の水を貯めてあります。そこに水滴が落下して水面を叩くときに音が出て壷の中で反響するのが原理です。水滴の大きさと壷の高さ,直径,水面との距離,水滴の間隔,壷の周囲の環境などによって独特な音が生まれるようです。インターネットで検索するといろいろなところにあるようです。皆さんも近くの水琴窟を訪れては如何ですか。
以上,音にかかわる話でしたが,このような人と音や振動の密接な関係を更に改善していく研究は,コンピュータサイエンス学部の得意とする分野のひとつです。
水琴窟(甲府:武田神社)
by(NAKA)
2009年8月31日 (月)