コールセンターの恋人
「100年に一度と言われる不景気の中、驚異的な売り上げを記録している業種もある。それがテレビショッピング。人々は何気なくチャネルを回し、あっと言う間に財布の紐を緩めてしまう。しかし、光あるところに影あり、実際に手にとることのない買い物にはトラブルもある。この物語は、その暗闇に立ち向かうプロフェッショナル達のある夏の記録である。」という解説で始まるテレビ番組「コールセンターの恋人」、見てますか?
小泉孝太郎の好演もあって、評判はなかなかのようですね。この番組では、テレビショッピングを対象としたコールセンターを背景に、そこで起っている事件を掘り下げ、楽しく描いています。このコールセンターを導入している企業はテレビショッピングや通信販売に限りません。あらゆる企業がコールセンターを活用しているのです。警察の110番や電話番号案内の104番もそうですし、メーカーが売った製品について問い合わせや修理依頼を受け付けたり、選挙の事前意向調査や自動車事故の保険相談センターなどいろいろです。
どのコールセンターでも悩みは同じ。かかってくる電話の量が一定しないこと、そして商品やサービスについて正しい知識をもち、ちゃんと電話応対ができる人を確保することです。みなさんもコールセンターに電話してもいつも話中か「しばらくお待ちください」のアナウンスばっかりだったり、相談してもまともな答えを得られなかった経験があることでしょう。実は、電話量の閑繁の波に合わせ、優秀な従業員を配置できれば解決なのですが、現実にはなかなか難しいのです。
コンピュータサイエンス学部では、このようなコールセンターの問題を解決するための研究を進めています。そのひとつが「コールセンターのオペレータ要員の配置法」です。学会の論文誌や国際会議で発表しただけでなく、実際のコールセンター業務に支援できる計算プログラムとしてホームページに公開したところ、毎日40~50件のアクセスを得ています。更なる難題に挑戦してゆくつもりですが、“恋人”にまで行き着くかどうかは分かりません。
(CS教員 菱沼)
2009年8月15日 (土)
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