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2009年10月

2009/10/29

紅華祭(大学祭)

2009/10/29

はじめまして。東京工科大学CS学部教員のツボイです。今回が初めてですので、研究室の紹介を兼ねて、学生達の活動の一端を紹介しましょう。

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10月11日、12日に紅華祭(大学祭)が行われました。晴天のすばらしい日でした。大学のキャンパスには学生達による多くの模擬店などもあり、付近の子供さんたちの姿も見られ、和やかな雰囲気でした。紅華祭では私の研究室は毎年研究室公開をしています。今年は70名ほどの方が研究室においでいただきました。また、卒業生も来てくれました。

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研究室公開では、学生達が卒業研究で行っている内容を展示します。狙いは多くの人に学生達がどんな研究を行っているかを見ていただくことですが、それ以外に隠された狙いとして、学生の皆さんに自分の研究をわかりやすく説明することが以下に難しいかを知ってもらうこともあります。学生達は学部を卒業すると、あるいは大学院を修了すると当然会社に入り、自分の仕事について説明しなければいけないことが多くあります。それでは、説明を終わった学生達に感想を聞いてみました。

・初めてRFIDを知った方に自分の研究を説明するのが難しかったです。
・するどい質問をされる方とRFID自体をはじめて聞く方が居られ、説明の仕方が難しかった。
・様々な年代の方が来られ、年代の高い方からの研究発表へのつっこみが厳しく質問に答えるのが大変だった。
・専門分野をあそこまで知っている人が来るとは思わなかった。私の知識不足によりあの方達に満足のいく説明ができなかったのが悔しいです。
・とても専門的なことを聞いてくる方が意外と多く、思った以上に説明するのが大変でした。
・専門の方から貴重なお話が聞けたので、今後の研究に生かして生きたい。

私の狙い通り、学生達は自分の研究を分かりやすく説明することの難しさを肌で感じたようです。また、自分の勉強不足も痛感したことでしょう。しかし、恥ずかしいことではありません。学生諸君は発展途上でこれから多くのことを学んでいくことでしょう。今回の機会を生かして、きっと成長してくれるでしょう。研究室に来てくださり、学生達に多くの質問をしていただいた方々に、この場を借りて御礼申し上げます。

大学祭が終わるとあとは卒論のゴールまであとわずかです。また、来年の卒論学生の配属も決まり、明日は4年生が幹事になり、3年生の歓迎会が行われます。

ツボイ

2009/10/28

The Internetのミニチュア版を作る

2009/10/28

こんにちは。CS学部教員のSOです。永久にループするかと心配した8月も、当然のように終わって9月になり、あっという間に冬の足音がすぐそこまで聞こえてくるようになってきました。

さて本日はCS学部の学生が週に1回、午後の3コマ(90分×3)を使って取り組む実験についてのお話をしたいと思います。「実験」というと白衣を着た人たちが、ビーカーや試験管を使って何やら怪しい薬品を混ぜ合わせる光景が目に浮かんでしまいますが、CS学部では主に機器を操作してデータを取ったり、コンピュータを使って目的の動作をするプログラムを作成したりします。

学生が行なう「実験」に似た言葉に「研究」がありますが、「実験」が正しい手順を追っていけば結果がある程度分かっている事柄について、その正しい手順を学び、結果を観測・観察するというもので、大学3年生までに取り組みます。一方、「研究」は、すでに分かっている知識をフルに活用して、未知の事柄や試みられていない応用を探るもので、大学4年生になると「卒業課題」として取り組みます。実りある「研究」を行なうために「実験」は大切な準備体操となるので、みんな真剣に取り組んでいます。

私は、ネットワーク関係の実験の1つで「インターネットの仕組みを知り、様々なネットワークサービスを実際に動かす」というテーマを担当しています。いま、このブログを読んでいる皆さんも、コンピュータや携帯電話がネットワークにつながって、ブログの内容が保存されているサーバからデータを取り出して、コンピュータ上の閲覧ソフト(ブラウザ)で表示しているわけです。そのネットワークは1つの大きなネットワークではなく、小規模で直接通信し合えるネットワークがたくさんあり、それらを相互に接続することによって地球規模の大きなネットワークを作り出しています。これが「インターネット (The Internet)」と呼ばれるものです。実験では、この地球規模のThe Internetを、大きめの机が28台並んでいる実験室内に半年をかけて作り上げていきます。

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簡単に手順を紹介すると、2~3人でチームを作って、サーバとなるPCと自分たちのノートPCが直接接続されたネットワーク (LAN) をそれぞれのチームで構成します。サーバはLAN内のノートPCにいくつかのサービスを提供します。これだけではチーム間のLANは孤立しているので、この28個のLANを相互に接続します。LANとLANを接続するネットワーク機器は「ルータ」と呼ばれるもので、各チームでサーバとして使ったPCをルータとしても動作するように設定をします。そこまでいくと、あとは複数のLANの間で利用するネットワークサービスを設定することによって、メールを送り合ったり、ウェブサーバから情報を発信するということが可能になっていきます。普通はインターネットサービスプロバイダ (ISP) が提供するサービスを自分たちで構築していきます。そのほかに実験では、セキュリティの確保のために、サービスを設定する上で何が必要か、どのように設定するのか、設定した通りに動作しているかを確認するにはどうすればいいのか、などを学習します。

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この半年の間に実験することは、地球規模のインターネットのほんの一部だけを構成しているにすぎません。しかし、実際のインターネットでも、全体を管理しているものはごくわずかで、小さなプログラムやデータが相互にうまく利用されて全体として動作する仕組みになっていて、この実験で培った知識はそのままインターネットの世界でも通用するのです。ちょっと面白いと思いませんか?

2009/10/26

山のぼり

2009/10/26

コンピュータサイエンス学部の教員issho-kenmeiです.今年の夏休みのことです.大学4年のときに研究室の先生と大学院の先輩と始めて登った山に,高校生の息子と登って来ました.上高地→涸沢→北穂高岳→涸沢岳→奥穂高岳→前穂高岳→岳沢→上高地のコースです. 夜行,山小屋2泊の山登りです.

北穂高岳から奥穂高岳の間は,思った以上に恐ろしいところがありました.クサリ,はしごの連続で,ストーンと下まで一直線というところが多く肝を冷やしました.前に登ったのですが,その記憶は全くありませんでした.人の記憶って,案外いいところだけを覚えているものだと思いました.

山のいいところは,何だろうとときどき思います.山のすばらしい景色をのぞむことができること,山の新鮮な空気に触れることができることでしょうか.それ以上に,普段の生活と全く異なる行動をし,頭もからっぽになることではないかと思います.だから,戻ってきてから,全く新しい気持ちで,つぎの仕事に新鮮な気持ちで取り組むことができるようになります.

山を登ると,自分の通ってきた道のりが一目瞭然に分かります.よくあんなに歩いたものだと思います.一歩一歩進むことが大切で,そこでやめたら何もならないことを実感します.この経験から,研究室の学生に,「がまん強く,諦めないで,一歩一歩進むのが大事です」と山の写真を見せながら言っています.

下の写真は,涸沢から北穂高岳に行く途中,奥穂高岳(右側の峰)と前穂高岳(左側の峰)を見たものです.北穂高岳山頂まではまだまだです.

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北穂高岳山頂(3106 m)にやっと到着.山頂から霧が少し晴れ,槍ヶ岳をかいま見ることができました.

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奥穂高山荘から奥穂高岳に向う途中の岩山です.この写真の峰のずっと後方にある奥穂高岳山頂まであと40分.

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奥穂高山頂(3190 m)に着きました.快晴になりました.北アルプスの中でも最も険しいところの1つのジャンダルムがくっきり見えました.

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奥穂高山頂からは,北穂高岳では霧であまり見えなかった槍ヶ岳がはっきり見えました.

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前穂高岳に向う途中,奥穂高岳を返りみました.かなりの道のりを歩きました.

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前穂高岳から重太郎新道を下り,岳沢に向う途中です.あそこの尾根をずっと歩いたと感慨している最中です.ずいぶんおりてきましたが,上高地まであと2時間くらいです.

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2009/10/09

集中実技Ⅱ ゴルフ へ行って来ました

2009/10/09

こんにちは.CS学部の心身ウエルネスのまついです.

先月の8日から11日まで3泊4日で福島県須賀川市(郡山の近く)にあるローレルバレイカントリークラブにゴルフ実習に行ってきました.本年が2年目となり今年も12名のみんなが参加してくれました.その12名のうち約7割がCS学部の学生でした.(ちなみにMS2名,BS1名でした)CS学部の学生の参加が一番多いの?とちょっと不思議かもしれませんが,CS学部の学生はスポーツ実技Ⅱおいてもひじょうに積極的で,普段のPCに向かっている姿とは真逆の表情を浮かべていますよね.私からするとあまりびっくりはしていませんよ!

天候にも恵まれ4日間朝9時30分に東京駅に集合し,新幹線で一路郡山へ.トランプを始める学生やすぐ寝てしまう学生と車内もさまざま・・・

集中実技といえば,昨年の集中実技Ⅰのスキーで学生が集合場所を間違えるというハプニングが起きました.「八王子みなみ野駅 西口 ロータリー 集合」の指示を徹底したはずが,「工科大構内図書館等前のバス停前」にいるが誰も来ないんですけど・・・といった電話や「八王子駅 南口 のバスロータリー」でしばらく待っていた学生・・・など,あったんですよ(笑)!!

くれぐれも人の話しはきちんと聞くようにしてくださいね.

今回のゴルフについては,皆さん間違えずに「東京駅 中央通路 仲間像 前集合」ができてほっとしておりました.

初日午後より早速ラウンド・・・     OBに打ち込み,自分が用意してきたボールの減り方に早くも不安が...  このペースで4日間ボール足りるかな〜
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夕食は肉を中心にご飯お変わり自由のメニュー.男女共に一所懸命に動いた後だけに食欲は旺盛.

2日目3日目は5時よりラウンド.昨年よりも1週間遅く計画したせいか,外は明るくラウンドするには暑くないので心地よく回ていたようでした.ただ,朝は身体が思うように動かない.スコアーはやや悲惨↓. 10時からの課題練習をしっかりやって午後のラウンドに備えましょ!

朝ラウンド後に朝食・休憩・10時より課題練習.
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お昼はメニューの中から1570円以内のものなら何でも食べてよい良いプラン.ちなみに私は疲れてくると油分が欲しくなるという特異体質.これは3日目の昼食.とんかつ定食です.もうそろそろ年を考えないとですね.

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課題はアプローチショットなどを練習し,いよいよ午後のラウンド...
がんばってよ... 練習の成果を出してよね!

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日がたつにつれ,練習・ラウンドとやや疲れが出てきたかな・もう少しだよ,がんばれ!!
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疲れもあったと思うけれど,皆さん本当に4日間で上手になったね.それ以上の宝物は仲間が増えたことだね.孔子は「君子は文をもって友を会し,友をもって仁をたすく.」と言っています.つまり,人は学問によって人と交わり,交友を持つことによって人格を磨くことが人として大切である,ということです.この交流を通して学んだことを今後の学園生活に役立てて,さらに多くの仲間と交わってくださいね.

実りある4日間お疲れ様でした.受講生は来年もまたお手伝いに来てくださいね.また,CS学部の学生をはじめ学生の皆さん,緑の自然の中気持ちの良い汗を流しましょう.来年お待ちしております.

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2009/10/07

思い出話+コンピュータ雑感

2009/10/07

はじめまして。東京工科大学CS学部教員のSYです。

つれづれなるままに、心にうつりゆくよしなしごとを書き散らしたいと思います。
今は昔の物語ですが、私が初めて興味を持ったコンピュータは、小学生のころに発売された TK-80 というものでした。当時、私は簡単な電子回路の制作を趣味としていました。その頃の電子回路は基本的に単機能で、別の動作をさせるには作り直す必要がありました。部品を基盤にハンダ付けするので再利用は難しく、何を試すにも時間がかかりました。TK-80 は、なにやらプログラムというのを入力すると回路を組み直すこと無く全然違う動作が出来るらしい、というので興味を持ちました。

TK-80 は小学生のおもちゃにしては高価すぎたので(広告には値段が出ていなかったと思いますが、値段の書いてない寿司屋程恐ろしいものはありませんね?)、指をくわえて眺めていただけでした。そのうちに PC-8001 というとてつもないコンピュータが出ました。なんと、RAM が 16KB もあり、160x100 8色のグラフィックスが使えるというのです! CPUも Z80A 4MHz です。 これがどれくらいすごいものだったかは、先の TK-80 の仕様がRAM 最大1KB、標準ではモニタにつなげず、電卓のようなキーと数字を表示するパネルが、むき出しの基盤に付いているだけだったことからお察しください。

お値段も 168,000円となかなかのもので、これも私には縁がありませんでした。しかし、私はPC-8001への思い断ちがたく、図書館へ行って Z80A の機械語を解説した本を借りたり、ベーシックの本を親に買ってもらったりしました。結局高校2年の時に自分のコンピュータを持つまでは本で勉強するだけでしたが、自分から興味を持ったことだったので、独学でも苦になりませんでした。この頃学習した機械語は、CPUの機能・動作を深く理解する役に立ったと思います。他に、コンパイラの動作をより深く理解する役にも立っていると思います。

今主流のIntel CPUの命令セットは複雑すぎて、小学生が本を読んで機械語学習、という訳にはゆかないでしょう。大学生にとっても、機械語レベルの動作は、多くの場合ブラックボックスでしょう。 私は、そのことがポインターなどを学習する際の障害になっているような気がしてなりません。順を追って学習すれば、本質は小学生にでも分かることなのに、周辺の複雑さにまぎれて本質が隠されている様に感じます。 想像ですが、組込み用コンピュータなんかの命令セットは簡単だろうと思うので、そのようなものの機械語を学習し、簡単な動作を機械語でさせてみたら、コンピュータがもっと身近な道具に思えるのではないでしょうか?最近は、組込み用コンピュータでロボットを制御するキットなども有るようです。楽しそうじゃありませんか?

CS学部教員 SY

2009/10/05

地図の上の無意味と融通が利かない自由とお隣さんの客観性のハナシ

2009/10/05

こんにちは。数学の講義を担当している亀井です。

この文章を読んでいる人の多くは、数学はオカタイ学問で融通が利かない、というイメージを持っているのではないかと思います。しかし、そのイメージに反して、数学はとても自由な学問です。その証左の一つとして、言葉を自由に定義することが出来る、という点が挙げられます。数学においては、破綻が無いように定められているならば(これを「well-defined」と言います)、使う側が言葉を勝手に定義してしまって構わないのです。

「距離」という言葉について考えてみましょう。
今、A君とB君という二人の学生が居るとします。この二人の間の距離はどれくらいでしょうか。
A地点とB地点の間の距離では無くて、A君とB君の間の距離です。と言うと、少し戸惑うかもしれません。でも、みなさんも普段の会話で、M井先生やI野先生は気さくで近い感じなんだけど、K井先生はなんだか苦手で遠いんだよね、等と言っているのではないかと思います。その感覚を客観的に捉えるために、人と人の間の距離をきちんと定めてみましょう。

例えば、地図の上で二人が住んでいる家を結ぶ線分の長さを測って、それを二人の間の距離とすることにします(図1)。単に、住んでいる場所が近ければ、人と人との間の距離も近いだろう、ということです。確かに良く顔を合わせるお隣さんは、遠くに住む家族より身近な存在に感じますよね。
しかし、地図の上では近そうに見える二人の家の間には、実は険しい山があって、行き来するためには遠回りしないといけないかもしれません。そこで、お互いの家の間で、歩行可能な道路を歩いたときの最短経路の長さを二人の間の距離としてみましょう(図2)。こうすると、さっきより実用的になった感じがしますね。
あるいは、A君の家からB君の家へ、東京工科大学を経由して移動したときの最短経路の長さを距離とすることも出来ます(図3)。一見無意味に思えるかもしれませんが、郵便物や宅急便の集配システムを考えると、このような距離の定め方は有用であることがわかります。

でも、上の三つの定義は、人と人の間の距離を測ると言いつつ、結局、場所に関する情報を使っています。これではしっくり来ないかもしれません。お隣さんとは一度も話をしたことがないし、遠くに住む恋人とは毎日電話している。そんな状況で、お隣さんの方が恋人より距離が近いと言われても、納得しがたいと思います。

そこで、会話を交わしたことのある相手を繋いでいく、という方法で距離を測ることにしてみましょう(図4)。例えば、一度でも会話を交わしたことがある相手との距離を1とし、会話を交わしたことのある相手を繋いで行ったときの最短の長さを二人の距離とするのです。A君とC君、C君とB君はそれぞれ会話をしたことがあるけれど、A君とB君は直接会話をしたことが無いとき、A-C-Bという繋がりを見て、A君とB君の距離を2とする、ということです。ただし、繋がりが無い二人(図4のAとXなど)の距離は無限大とします。気になるあの子との距離が無限大だと、結構切ないですね。

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さて、以上の四つは、どれが優れていてどれが劣っているということは無く、全て「距離の公理」を満たしているため、距離の定義として採用することができます。自分が考えたい問題で議論が上手く進むように、その時々で自由に定めれば良いのです。繰り返しになりますが、数学においては必要に応じて、適宜、言葉を自由に定めてしまって構わないのです。

主観は時に、人の思考を強く制限します。言葉をきちんと定義して客観性を持たせることで、初めて真に創造的な思考を展開することができる。数学は、そんな自由に溢れています。
キミと遠くの家族や恋人との距離が縮まりますように。気になるあの子との距離も縮まりますように。お隣さんとも仲良くなれますように。そして、数学が少しでも身近な存在になりますように。

CS学部教員 亀井 聡

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