ロボットが好きだから
こんにちは。東京工科大学CS学部の教員@ロボット制御研究室です。
鉄腕アトムって、皆さん知っていますよね。私もアトムを作りたくてこの道に入った一人です。でも、なかなかアトムを作るところまでは至っていません。ロボットを勉強しようと大学に入ったら、ロボットの基本の制御工学という分野にはまってしまいました。たとえば、部屋のなかで、暑かったらエアコンの温度を下げて、寒かったら上げて、自分が快適と思う温度に調節しますね。これをフィードバック制御といいますが、なかなか思い通りになってくれません。
ロボットの腕や足などの関節には1つずつモータが入っています。皆さんの持っている携帯電話にもモータが入っていることを知っていますか? バイブレーションモードとかにしているときに、着信すると携帯電話がブルブルと揺れますよね。あれは、中に入っている小さなモータが回るからです。モータは電池をつなぐと回ります。はずすととまります。でも、希望したところ、例えば腕を90度曲げたところで止めようとしても、簡単にはとまりません。「車は急に止まれない」というように、モータも急には止まりません。ここで活躍するのが「フィードバック制御」です。
写真は、おもちゃのモータを用いたロボット、私はアームロボットと呼んでいます。ちなみにスペースシャトルで活躍しているのは、ロボットアームですね。研究室の学生さんが制御を勉強するためにつくって、コンピュータから動かしています。小さな箱(オレンジ色)を3台のロボットの腕が正確な位置に止めて、次のロボットに順番に渡しています。このような簡単なものを思うように操れると、だんだん複雑なもの、たとえばホンダの2足歩行ロボットのアシモやトヨタのパー^トナーロボット(上海万博ではバイオリンを弾いているそうです)などが動かせるようになります。
いつかは、鉄腕アトムもできるかな?
(研究打ち合わせのために移動中の新幹線の中で書いています。)
2010年6月17日 (木)