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『エコとツバメと』

昔は、ツバメが来て自分の家に巣を作ると、「幸せがやってくる」、といって縁起が良いものとされたそうです。でも、今では、だんだんツバメの巣を都会で見ることが少なくなりました。
 以前は、あそこの駐車場の入り口と、あそこのスーパーの入り口と、あそこの床屋さんの軒と、とたくさんツバメの巣を数えられましたが、年々、その数は減りました。ツバメの姿を見ることも随分少なくなりました。

 ツバメは、まさにグローバルな一生を送っています。私たち人間が、グローバリズムを唱えるずっとずっと前からです。季節に合わせて、地球上を飛び、ちょうど、日本国土には、五月の頃に、子育てをする場所として飛来してきたからです。

 最近、エコという言葉、これはecologyの略で 「地球にやさしい」などと訳されますが、この言葉を聴かない日はないように頻繁に登場します。でも果たして私たちは、この言葉を本当に尊重するような生活をしているのか、ととっても疑問です。ツバメの巣ですら平気で払い落とし、その残骸をまるで汚いもののようにして捨て去り、そこに小奇麗な場所を作り上げても、そんなものはどれほどの価値があるのだろう、と思うからです。

 私の家のそばに、一軒だけ、今年もツバメの親を待ち、子育てが終わるまで、そっと見守っていたお店がありました。そこは酒屋さんなのですが、毎年5月は、ツバメのために、倉庫のシャッターを下20センチくらいあけっぱなしておきます。ツバメたちは、代替わりをしても、ちゃんと心得たもので、その下20センチくらいの幅まで急降下して、お店が閉まっている時間も、雛たちにえさを運びます。

 雛たちは、シャッターの中で、毎年その新しい命を息吹かせ、そして梅雨のころ巣立っていくのです。

 すぐ近くには、おもちゃ屋さんがあります。でも、このおもちゃ屋さんは、巣があるのを知っていても、平気でシャッターを閉め、そして、巣に入れなくなり呆然とする親鳥のことは全然気にかけませんでした。その次の年からは、もうツバメの姿はみられませんでした。
 「ツバメが巣を作ったら、そこには幸せがくる」、というのは唯の迷信ではないかもしれません。ツバメに、ほんの何週間か軒を提供して、そっと見守る。そういう心を持っている人は、幸せを感じることができる、そういうことなのかもしれません。

 子育てが終わったツバメの親が、電線でじっと疲れをいやしていました。『ご苦労様。来年も、ここの酒屋さんにおいでね』、そう声をかけました。

2010年6月28日 (月)

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