健康センサ-人にも山林にもひょっとしたら地球にも!
東京工科大学CS学部の教員のSAS先生です。
SAS先生の研究室では安心・安全・健康な生活に役立つ各種のセンサの研究開発を行っています。昨年12月1日に(独)科学技術振興機構(JST)から多額の助成金を頂き、「人間ドック、ホテル等での一次スクリーニング用の光ファイバ型睡眠時無呼吸センサシステムの研究開発」を行って参りました。国の税金を使うわけで、世のため、人のためになる実用化を目指し、まずは人間ドックでの一次スクリーニング用の光ファイバ型睡眠時無呼吸センサシステムを予定どおり完成させました。今後JSTの許可を得て公開して行く予定です。
SAS先生は、この他にも世のため人のためになる実用化を目指した面白い研究を行っています。その1例を今回は紹介します。
従来、日本では人の手による丁寧な山林管理の仕組みがありましたが、林業従事者の高齢化による担い手不足や木材価格の低下から、管理放棄された放置林が増加し、大雨の際に洪水などの災害をもたらす要因にもなっています。 このような状況に対して、林道等の間近な山林の写真から簡易に山林の健康状態を管理・センシングし、間伐等の手入れを促すシステムが必要と考え、航空機等の大掛かりな設備を用いずに、実際に個人の所有する山林を間近から管理するシステムの開発を行っています。
原理を下図に示しますが、山林カラー画像から輪郭抽出フィルタを用いて木の幹の部分と背景部分を分離し、樹幹密度(山林カラー画像中の木の幹部分の面積の割合)を求め、これを指標として山林の健康状態(間伐の必要性など)を判定する仕組みです。
この方式が今年度の三鷹ネットワーク大学推進機構「民学産公」協働研究事業に「画像処理技術による山林健康管理センサシステムの都市内緑地保全への適用」として採択されました。支援経費を頂いて公園内の樹木林や市道の街路樹の保全のための稼動低減に貢献し、三鷹地域社会環境の健全性を維持発展させることに取り組むことになりました。
SAS先生の研究室のセンサ開発の近況報告です。
2010年9月21日 (火)