CSブログ連載シリーズ 松下的コンピュータゲームの世界
第19話 今年もゲームの授業が始まりました
こんにちは。CS学部教員の松下宗一郎です。
ほとんど脈絡なく続くこのシリーズですが、今回はなんと本業(?)の授業についてご紹介いたします。
コンピュータサイエンス学部2年生向けの「コンピュータゲーム基礎」という授業なのですが、果たして何が「コンピュータゲームの基礎」なのかがポイントです。
授業の冒頭で、最大かつ最も答えにくい難問である「ゲームは学問なのか?」という問いに、「何と言っても面白いので、探求していく価値があります!」
と、開き直りを伴いつつ叫んだ後、
「もしかしたら目の前にあるコンピュータを使えば自分で作れてしまうかも知れない」
などと思い切ってあおってみたりしております。
でも、本当に簡単なゲームを短いプログラムで作るだけでは、「ゲームの基礎」を論じたことにはならないのではないでしょうか。
一方、「コミュニケーション」という視点からコンピュータゲームを見てみると、
コンピュータからプレイヤーへはグラフィックスやサウンド等を含めた膨大な情報が流れてくるのに対し、プレイヤーが行えることは、多くの場合コントローラのボタンON/OFF程度であることが分かります。
このため、コンピュータゲームでは、プレイヤーからのごくわずかな情報を手がかりに、プレイヤーをより楽しませる何かを提供しなければならないという、かなりハードな状況を考えていく必要があることになります。
そして、恐らくこの部分こそが「ゲームの基礎」なのだと思います。
すでに世の中に星の数ほど出回っているコンピュータゲームですが、人を楽しませ、人の心を豊かにしていく力の源を、授業を通じて探って行ければと考えております。
それではまた!
Soichiro C. Matsushita (修羅の国到達。HP1億オーバーってどういうこと?)
2011年10月 5日 (水)
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