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2011年11月

2011年11月28日 (月)

CSブログ連載シリーズ 松下的コンピュータゲームの世界

2011年11月28日 (月)

第24話 ゲームにおけるビジュアル表現とパラメータ

 こんにちは。CS学部教員の松下宗一郎です。

長らく続いた鰯(いわし)ゲーム(本当はそういうゲームではありませんが)に続き、
テイルズオブエクシリア(バンダイナムコゲームス)を延々とプレイいたしております。
そしてその結果、パラメータが良い感じになりました。

Talesx1

 コンピュータゲームがプログラムで出来ており、その表現が数値でなされていることによる当然の結果ではありますが、例えば「物理攻撃力(物攻)」はゲーム序盤から2桁以上は大きくなっているものと思われます(これでやられたら、鰯なんぞは一撃でお刺身?)。

この現象は、1980年代のRPGゲームより今日に至るまで、脈々と続いてきているのですが、人(エクシリアの場合は、必ずしもそうとは言えないのですが)はそれほど大きく変われるものなのでしょうか?

 そのような中で、松下的に評価が高い演出として、「成長するにつれて、見た目が変化する」というものがあります。
そして、このゲームでは、装備している武器のビジュアルが戦闘中に反映されるのですが、一種のお遊び要素として、なかなか残念なビジュアルにカスタマイズすることができます。

Talesx2

 こちらのキャラクターは、本来はこういう格好はしていなかったと思うのですが、物理攻撃力が7000を超えた記念に伝説のマッドサイエンティスト(テイルズオブデスティニー2を参照下さい)を装備いたしております。

果たしてこれで、2桁以上の成長を表現できているかどうかは謎ですが、「数値」から直接ファンタジーを感じるよりは、より直接的な効果(あるいは逆効果)を期待できるのではないでしょうか?

 それではまた!

Soichiro C. Matsushita (PS3版の二ノ国というゲームがやってまいりました・・・)

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2011年11月20日 (日)

CSブログ連載シリーズ 松下的コンピュータゲームの世界

2011年11月20日 (日)

第23話 コンピュータプログラミングはRPG?

 こんにちは。CS学部教員の松下宗一郎です。
街角では年賀はがきの販売が始まり、そろそろ年の暮れを感じる時期になってまいりました。

 大学での授業も折り返し点を過ぎ、「コンピュータゲーム基礎」ではいよいよメインの1つであるゲームプログラミングの部分にさしかかりました。
 プログラミングは、コンピュータゲームを作っていく上で大変重要な位置を占めますが、いざ学び始めてみると、あまりにも膨大な知識量や、数々の怪しいテクニックを要求されてしまうことから、1本のゲームプログラムを完成させることは一般的にはとても大変なことであると考えられています。

 そして、完成に至るまでの道のりが遠すぎるために、数多くの挑戦者が残念ながら途中で諦めて行くことにつながっています。そこで、「コンピュータゲーム基礎」では、1本のゲームプログラムという、いわばRPGにおけるラスボスをいきなり倒しに行くのではなく、まずは画面1枚に収まる一種の雑魚モンスター的な何かを倒し、レベルを上げていくことを考えてみました。

Bugbug

 こちらのプログラムは、数値(整数i)が偶数(even)か奇数(odd)かを計算で求めるものですが、画面1枚どころか、わずか数行しかありません。
原理としては、数値iを2進数(0と1だけで作られた数)で表現すると、数値iが奇数であれば最後の1桁は必ず1になることを使って奇数/偶数の判断を行うプログラムですが、実はこのプログラムは完璧に間違っています。
つまり、「4」という数値は明らかに偶数なのですが、プログラムを走らせるとなぜかコンピュータは奇数だと言ってきます。

 授業では、このようなタイプの「間違いプログラム」を難易度別に16個ほど用意し、間違いをひたすら解除していくという一種の「雑魚モンスター退治ゲーム」を行っております。

 ちなみに、上記のプログラムでは、i & 1という部分に( )をつけて、(i & 1)とすれば正しく動作しますが、「間違い=雑魚モンスターを見つける」→「弱点=不具合を探す」→「正しく攻撃する」という一連の手順は、正にRPGゲームにおける個々の戦闘にそっくりではないでしょうか?

 それではまた!

Soichiro C. Matsushita (テイルズはめでたく2周目に入りました。Gradeは現在7000です)

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2011年11月 3日 (木)

CSブログ連載シリーズ 松下的コンピュータゲームの世界

2011年11月 3日 (木)

第22話 ファンタジーについて考えてみました

 こんにちは。CS学部教員の松下宗一郎です。半年間の鰯トンネルを抜けると、すぐそこに冬が迫ってきました。
(しかしながら、トンネルを抜けたと思ったら、ちょうど良いタイミングで「魔界戦記ディスガイア4・アペンド版」:日本一ソフトウエア が入荷いたしました・・・)

 以前にもご紹介をいたしました「コンピュータゲーム基礎」という講義ですが、間もなく後半戦に入るところまでやってきました。
その中で、先週は「ファンタジー」について語る回(本当はコンピュータインタラクションという回でしたが)を迎え、例年通り「ファンタジーにふさわしい」曲を用いてコンピュータゲームの世界をより豊かなものにする方法について述べてまいりました。

Towerofbelem

 こちらの写真はその際に用いた1枚ですが、以前に旅行をしたリスボン(ポルトガル)にあるベレンの塔と呼ばれる建築物で、16世紀にバスコ・ダ・ガマの世界一周を記念して建造されたものなのだそうです。
そして、この写真を教室(といっても600人くらい収容できるホールのような場所ですが)のスクリーンに投影しつつ、以下のような方法で説明を行ってみました。

(1)それらしいバロック音楽(バッハのフーガ・ト短調)をまず流す
(2)次にこの写真(もちろん静止画)をスクリーンにフェードインにて投写する
(3)やや時間を置いた後、この塔の由来について説明する

 この実験(?)では、どれだけ「送ってはいないはず」の情報を人が感じることになるのかを調べてみることが目的だったのですが、音楽の雰囲気や写真とともに心の中に描かれた「ファンタジー」が、由来の説明により木っ端みじん(そうではない方もいらっしゃったかも知れませんが)という効果も併せて発生いたしました。

 松下的には、まだ見えていない、あるいは説明されていない何かについて、どれだけ想像を巡らせることができるのかが、「ファンタジー」における最大のポイントだと思いますが、近年のゲームでは派手なCGやテンポの良い演出&妙に分かりやすい説明で、かえって何かを失ってしまっている気がいたしております。

 それではまた!

Soichiro C. Matsushita (テイルズ2周目を阻む新たなる鰯の出現・・・あしたはどっちだ?)

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