CSブログ連載シリーズ 松下的コンピュータゲームの世界
第22話 ファンタジーについて考えてみました
こんにちは。CS学部教員の松下宗一郎です。半年間の鰯トンネルを抜けると、すぐそこに冬が迫ってきました。
(しかしながら、トンネルを抜けたと思ったら、ちょうど良いタイミングで「魔界戦記ディスガイア4・アペンド版」:日本一ソフトウエア が入荷いたしました・・・)
以前にもご紹介をいたしました「コンピュータゲーム基礎」という講義ですが、間もなく後半戦に入るところまでやってきました。
その中で、先週は「ファンタジー」について語る回(本当はコンピュータインタラクションという回でしたが)を迎え、例年通り「ファンタジーにふさわしい」曲を用いてコンピュータゲームの世界をより豊かなものにする方法について述べてまいりました。
こちらの写真はその際に用いた1枚ですが、以前に旅行をしたリスボン(ポルトガル)にあるベレンの塔と呼ばれる建築物で、16世紀にバスコ・ダ・ガマの世界一周を記念して建造されたものなのだそうです。
そして、この写真を教室(といっても600人くらい収容できるホールのような場所ですが)のスクリーンに投影しつつ、以下のような方法で説明を行ってみました。
(1)それらしいバロック音楽(バッハのフーガ・ト短調)をまず流す
(2)次にこの写真(もちろん静止画)をスクリーンにフェードインにて投写する
(3)やや時間を置いた後、この塔の由来について説明する
この実験(?)では、どれだけ「送ってはいないはず」の情報を人が感じることになるのかを調べてみることが目的だったのですが、音楽の雰囲気や写真とともに心の中に描かれた「ファンタジー」が、由来の説明により木っ端みじん(そうではない方もいらっしゃったかも知れませんが)という効果も併せて発生いたしました。
松下的には、まだ見えていない、あるいは説明されていない何かについて、どれだけ想像を巡らせることができるのかが、「ファンタジー」における最大のポイントだと思いますが、近年のゲームでは派手なCGやテンポの良い演出&妙に分かりやすい説明で、かえって何かを失ってしまっている気がいたしております。
それではまた!
Soichiro C. Matsushita (テイルズ2周目を阻む新たなる鰯の出現・・・あしたはどっちだ?)
2011年11月 3日 (木)
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