歩きスマホの危険性の検証実験の動画撮影(菊池・荻谷研究室)
2015年1月20日 (火)
こんにちは.コンピュータサイエンス学部教員の菊池です.
本学部応用情報コースの「ブレインコンピューティング研究室」(菊池・荻谷研究室)では,ヒトの視覚認知を中心に,柔軟で賢い脳における情報処理の仕組みについて研究したり,脳に学ぶ人工の情報処理システム等について研究したりしています.そんな研究活動の一環として,近年社会問題化している歩きスマホの危険性を検証するための研究も行っています.本学部の研究紹介動画としてこの研究が取り上げられ,先日,研究の様子の動画撮影が行われました.以下はこのテーマの研究に取り組んでいる4年生の山幡さんからの報告です.
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こんにちは。菊池・荻谷研究室に所属している山幡まりかです。
私は卒業研究のテーマとして、歩きスマホの危険性の検証について研究しています。
菊池先生が上記でも述べております通り、アイカメラを使って歩きスマホ中とスマホを操作せず歩行している最中の視線を計測し、その結果をもとに分析をして危険性を検証しています。
先日の動画撮影では、研究室の皆さんに協力して頂きました。

撮影場所は大学を使用しました。
↑の写真では3年生の研究室メンバーにアイカメラを装着してもらい、アイカメラの調整を私が行っている様子です。写真の右に写っているのは我らの菊池先生です。
そして実際に直線の道を歩きスマホをして歩いてもらいました。
エキストラとして、研究室の4年生のメンバーと院生の先輩に協力して頂きました。
駅構内などの人の多い場所を想定し、あえて歩きスマホ中の人に当たりそうなところを歩いて貰いました。
同じ状況で通常歩行中の視線測定も行いました。
実験中は、本当にぶつかりそうになってしまう様子を見てヒヤヒヤしてしまいました。駅などで歩きスマホをした事のある人は実際にぶつかってしまった事がある人も多いのでは、と思います。
結果としては、歩きスマホ中は視線を向ける範囲が狭くなってしまう事が定量的にも分かりました。
狭い範囲しか見なくなってしまうので、歩きスマホは本当に危険です!
今回の結果などで、少しでも歩きスマホが抑止できるようなきっかけを作る事ができたらと思います。
以上です。
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上記の撮影で出来上がった動画はこちらで閲覧できます.
将来的には,歩きスマホのような行為をICTにより抑制するのか,それともむしろ安全に移動できるようアシストするのか,スタンスが分かれるところですが,少なくとも徒歩でも乗り物利用時でも自分の意思のみのコントロールにより空間内を移動する際には,安全のため周囲の状況の理解に専念することが望まれます.神経系リソースのかなりな割合が外界認知の代わりにスマホに向けられると思われる昨今の歩きスマホ行為は控えたほうが無難そうです.
2015年1月20日 (火)