ACMという著名な学会がスポンサーになっている(International cosponsored by ACM SIGAPP)国際会議、The 9th International Conference on Ubiquitous Information Management and Communication(IMCOM or ICUIMC 2015)で東京工科大学の学生3名が発表を行いました。
この国際会議は、2015年1月8日(木)~10日(土)にインドネシアのバリ島にて開催されました。
この会議には、44件の口頭発表(レギュラーセッション)、2件の招待講演、25件のショートプレゼンテーション、40件のポスターセッションがありました。
招待講演は別として、採録が難しい順に並べますと、レギュラーセッション、ポスターセッション、ショートプレゼンテーションとなります。レギュラーセッションには非常に高く評価された論文だけが選ばれ、大勢の聴講者の前で独立して発表が行えます。
ポスターセッションには、レギュラーセッションには一歩及ばなかった論文が選ばれます。
ポスターセッションの会場では同時に10名ずつ発表が行われるようになっていまして、
聴講者は興味ある人の発表を聞く形式です。
ショートプレゼンテーションには、論文としてはいまいちですが技術的に高く評価された研究が選ばれます。
採録率は、全て含めて(招待講演は除かれると思います)29パーセントと発表されましたので、中でもレギュラーセッションに東京工科大学から2名の学部生が選ばれることは、とてもすごいことではないかと思われます。日本の大学では、他には京都大学、大阪大学、九州大学、お茶の水女子大学などから発表がありました。
今回は、東京工科大学大学院コンピュータサイエンス専攻修士課程2年の横山新吾君の発表を紹介します。
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コンピュータサイエンス専攻の横山新吾です。
私は「A Proposal of Preventive Measure of Pursuit using a Browser Fingerprint」というタイトルで修士課程の研究発表を行いました。実は、みなさんが使用しているWebブラウザには個別のカスタム内容があり、それがサーバにブラウザの指紋(Browser Fingerprint)として送信されています。
途中で通信内容を見られてしまいますと、最悪の場合個人が特定されてしまうこともあります。
最近は公共の無線LANでノートPCやスマートフォンを使用する機会が増えていますので、これは大変危険なことだと思われます。
そこで、私は、個人が特定されないような工夫をブラウザに取り入れると同時に、
利用者が指定している任意のWebサーバには、その人の趣味や嗜好だけを伝えられるようにしました。
完全に匿名にしてしまいますと、自分が興味を持つ広告などが優先的に表示されなくなってしまいますので、プライバシー保護と利便性を両立できるような技術を考えました。
写真をご覧になると分かると思いますが、発表会場は池の前でした。
この池が一見するとガラス板のようにも見えまして、誤って落ちて濡れている人が何名もいました。
会場は、バリ島のヌサドゥア地区にあるザ・ムリアというホテルでした。非常に綺麗な会場でした。
下の写真は、Opening Remarks(開会の挨拶)の様子です。話をされているのは、
IMCOM (ICUIMC) 2015の会議が円滑に進むようあちらこちらで気を遣われていた韓国の
Hyunseung Choo先生です。
会場のザ・ムリアは非常に素晴らしいホテルでした。

国際会議では、発表の他に、参加者が交流するイベントもあります。
とくにソーシャルイベントでは、開催地の文化や伝統を学ぶようになっていまして、
ウェルカムレセプションのパーティでは、私も前に呼ばれて、現地のダンサーと一緒に踊りました。
ザ・ムリアで行われた会議のバンケット(晩餐会)も非常に豪華でした。
バンケットでは表彰式が行われました。
残念ながら東京工科大学からというより日本からは受賞がありませんでしたが、
選ばれた人たちはとても優秀な方たちのように見えました。
バンケットではテーブルの指定があり、私はマレーシアのクアラルンプールから来ている方々と一緒のテーブルになりました。
実は、私はクアラルンプールに語学留学した経験があります。
ブキッ・ビンタンという地区にいましたので、その話で非常に盛り上がりました。
空いた時間に観光もしてきました。
バリ島の寺院を見学したり、日本とよく似た風景の棚田を見たり、バリ島の海に沈む夕日を見たりもしました。
東京工科大学で身につけたことは、コンピュータに関する技術もそうですが、それを英語で発表して、海外の技術者の方々とディスカッションできる能力ではないかと思います。
私はとくに英語が得意なわけではありませんでしたが、東京工科大学の学部4年間と大学院修士課程の2年間で、グローバルな技術者としての能力が非常に向上したように思います。
高校時代までの私しか知らない人には、別人に見えるかもしれません。
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以上が横山新吾君のコメントになります。彼の他に、東京工科大学コンピュータサイエンス学部からは女子学生2名がIMCOM (ICUIMC) 2015に採録され、レギュラーセッションで発表を行いました。
東京工科大学の学生は海外でも活躍しています。