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香りを測り、分子情報を可視化してみよう!

2016/09/12

8月28日にオープンキャンパスが行われました.研究室公開を行った杉本研究室の様子です.

8月最後の日曜日は雨模様でしたが、工科大のオープンキャンパスが開催され、杉本研(香りセンシングと表面科学研究室)の研究室公開を行いました。
香りに対する嗅覚による様々な評価方法を体験し、香りセンサにも触れてもらいました。ご来室いただけた方々、ありがとうございました!
研究室の飾り付けにはじまり、機材やサンプルの準備や装置の調整など、いろいろ大変でした。特に今年は、直前に卒業研究の発表会があったので、大忙しでした。

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研究室で取り組んでいる香りセンシングと関連させて、次のような7つの体験イベントを用意しました。

1)アロマのシュートでニオイ当てクイズ
アロマシューター®という、アロマを鼻めがけてショットする発香器に親しんでもらいます。これは、アロマ付きパーソナル空気砲と言えるもので、6種のアロマをピンポイントでお鼻にシューしてくれる優れもので、PCのモニタでシューのタイミングを確認しながら、アロマの種類を当ててもらいます。

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何の香りがしたかを回答してもらいます。全問正解したら、ささやかなチョコのプレゼントをお出ししました。30名のうち全問制覇したひとは4名でした。1,2ヵ所の間違いがほとんどでした。

2)嗅覚による茶葉の香りの感性評価
5種類の茶葉を嗅いで、安心感・華やかさ・透明感・そう快感の4つの項目で点数を付けてもらいます。これらの評価点をPCに入力してもらい、茶葉の間の距離を計算させます。その結果を地図化し、香りの印象から茶葉の類似性を目で見て判断できるようにします。

3)フレーバーのブレンド臭の評価
 2種類の香りの混合物は、別次元の印象を与えることがあるのを実感してもらいます。
 食品の香り付けに用いられるフレーバーは、単品だとそれだと分かるのですが、2種類を混合したモノでは、構成成分が分かりにくい組み合わせがあり、嗅覚情報の微妙であやしい(不安定な)とらえ方を実感してもらいます。

4)アロマの創作
 アロマセラピーで用いられる精油を用いて、気分や体調を整える可能性を探ってもらいます。また、自分にあったお好みのアロマを調合してもらい、お土産にしています。

5)嗅覚テスト
 油脂でアロマをカプセル化して匂わなくしておき、嗅覚テストの被験者が意図的にカプセルを壊すことで、テストを開始するタイミングが 発香させることで、集中してテストを受けられる検査キット(オシットQ®)を体験してもらいます。嗅覚の障害や衰えなどを簡便に評価できるものであり、医療現場でも使われているので、真剣さも増します。

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薬包紙にリップタイプのサンプルを塗り付けています。これを中折れにして指先でクシャクシャして広げると、ニオイが適度に香ります。

6)ニオイセンサのデモ
 杉本研で開発した香りセンサでアロマシューターや呼気などをデモ測定して、ニオイを可視化します。

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7)分子シミュレーションのデモ
 分子軌道法というPCを用いて分子の最適構造を決める化学計算を体験してもらいます。また、ニオイ分子とセンサ膜との親和性を分子動力学という分子CGで評価してもらいます。

全般的な印象は、以下のとおりです。
4)のアロマシューターが、機材の新鮮さもあり、クイズ形式で一番楽しんでいただけたようでした。その次は、嗅覚でニオイを評価する体験版である、2)、3)、5)といったところが、熱心に取り組んでいただけたようでした。分かりやすいこともあり、また研究室での体験で、嗅覚の奥深さを再認識できるので、皆さん真剣そのものでした。
1)も嗅覚を使ってデータ解析する体験版ですが、何となく難しそうといった感じでした。大学の実験内容を簡略化した内容なので、仕方がない一面はあります。しかし、これから他の体験メニューの導入部分として、意識を高めていただけたと言う点だけでも、十分意味のあるコーナーだったと思います。
6)と7)のコーナーが、杉本研で取り組んでいるメインな研究内容なのですが、やはり難しいといったところで、湧き上がる反響は感じ取れませんでした。いかにして興味を持っていただけて、研究する意義を感じ取っていただけるような内容にしていくかが、今後の課題になりそうです。

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高校生に同伴されたご父兄からも、熱い反応がありました。また、未来の高校生の集中力の高さには驚かされました。

最後に、複雑そうな機材や配管・ビンなどが沢山あって、ごちゃごちゃした感じの研究室なのですが、同伴されていたお父様から、「おっ!ここは研究室っぽい!」という一声が飛び出たときは、何とも可笑しな印象を受けました。

それでは、またのご来室をお待ちしています!

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