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人工知能で白黒画像の彩色

2017/01/27

今回から,今年の学生による人工知能応用の研究を紹介していきます.
上手くいったものもあれば,ダメダメのものもあります.

まず最初は,石畑研究室4年のS君が行った白黒画像の彩色です.
白黒の画像に色をつけてみようというもので,すでに有名な学会に発表された先行研究があります.
先行研究の方法はかなり複雑なので,それを真似してもう少し簡単にしてみることに挑戦します.

研究室に私が撮った写真がいっぱいあるのでそれをデータとして利用しました.
カラー画像は,赤緑青の三原色から構成されています.
白黒画像を作るのは,3色を適当な比率で混ぜ合わせるだけなので簡単です.
一方,白黒の写真に色を塗るには,いろいろな知識が必要になります.
ここで,人工知能(ニューラルネットワーク)の登場です.

ニューラルネットワークに,作った白黒画像を入力として与えて,カラー画像を出力させます.
出力してきたデータを元の正解画像と比較して,訓練を進めます.
左の画像がオリジナル画像,真ん中がそれを白黒写真に変換したものです.
これをネットワークに入力して右の様に色付けして出力するように学習させます.

Mc0


とりあえず簡単なニューラルネットワークで実験しました.
とても簡単なネットワークでは,予想通り上手くいきません.
S君には,先行研究を参考にネットワークの構成を変えてみるよう言いました.

Mc1


上手くいったと報告してきたので見てみると,

おお!!彩色されている.

Mc2


ところで,「これはテストデータだよね?」
と聞くと,訓練用のデータの結果だそうです.
テストデータでやってみた結果がこうです.

Mc3

初めてみるデータではどうも上手く彩色できないようです.
ニューラルネットワークは,過学習になっていました.
ちょうど,試験前に一夜漬けで問題集の問題と答えを丸暗記したような状態です.
問題集の問題が出ればうまく答えますが,似たような問題でもこれまでやったことが無い問題
だとボロボロというような感じです.

このため,ニューラルネットの訓練時には,時々訓練データに無い問題をやらせて,
過学習状態になっていないか確認しながら訓練を進めます.
勉強でいうと,時々小テストを行うような感じですかね.
S君は,それをしてませんでした.
卒業論文の発表までにやらねばなりません.

S君の研究は今のところ,ここまでです.
何と言っても学習データ量が不足しているのが最大の問題です.
参考にした先行研究では,数十万枚の画像を使用しましたが,彼は4000枚くらいだそうです.
この辺の改善を,来年の研究生に期待したいところです.


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