ブロックチェーンに関する学会発表
亀田・相田研究室
(思考と言語研室・知的ソフトウェア創成研究室・コグニティブコンピューティング研究室)
電子情報通信学会のソサイエティ大会で、研究発表を行ってきました。
発表題目は「ブロックチェーンを用いたAI 推論信憑性維持・管理システムの提案 − 人工知能活用社会へ向けての提言− 」です。
この研究の着想は、話せば長い話になるので、聞きたい方はオープンキャンパスなどで亀田・相田研究室を訪問してください。
発表の要点は以下の通り。
これからは人工知能( AI; Artificial Intelligence )の時代だ!
- IoT技術(モノのインターネット技術)が急速に発達し、ビッグデータの収集が簡単になってきた。
- さらにビッグデータは、人工知能技術「深層学習( DL; Deep Learning)」と結びつくことにより、人間を凌駕する能力を発揮し始めている。
- 今ある多くの仕事は人工知能が人に取って代わるとか、その結果、新たな産業革命が起き始めているとまで言われている。
- でも、人工知能システムって、何でもかんでも信じていいのだろうか?
- 論理学の知見によれば、演繹推論を使うならば、真なる知識から真なる知識を得ることができることが証明されている。
- でも、ビッグデータに基づく現在の人工知能の推論は、必ずしも、入力が正しければ出力も正しい、とまでは主張できない。
- 百歩譲って、人工知能の推論処理が全く問題のないものとしても、入力がどれもすべて正しいとは、一般には保証することはできない。
- ここが問題だ!と私たちは考えました。
- つまり、人間を凌駕するほどすごい人工知能であっても、入力データの正しさは別のやり方で確保するしかないと。
- なるほど、オープンデータのように、行政機関が責任をもって発信してくれているデータも確かにある。
- しかしながら、人工知能が急速に発達し広く利用されるようになると、人よりも早い速度で人工知能が様々なデータや知識を生成し、世界へ発信するようになることは、想像に難くない。
- そうであれば、データや知識自体の出所を、何らかの方法で保証すする方法を確立する必要がある。
- 色々なやり方はあるのでしょうが、私たちの研究室では、ビットコイン(仮想貨幣の1つ)で採用されているブロックチェーンに着目することにしました。
- そんなことを学会でまずは発表してきました。
- 現在は、Ethereumというブロックチェーンのプラットフォームを使って、この考えがどの程度有効であるかを調べようとしているところです。
この続きも、オープンキャンパス、あるいは、このCS学部ブログにて適宜発信していきます。
興味のある方、ぜひお声掛けください。
(注)ブロックチェーンとは、仮想貨幣で利用されている技術で、”電子的な分散型台帳”に相当するものです。
現在では、ブロックチェーン3.0という名称で、smart contract (スマートコントラクト)実現のために
金融関連の分野で注目を集めています。FinTech(フィンテック)という分野がそれに相当します。
2017年9月28日 (木)