学部4年生が国際会議で発表
東京工科大学コンピュータサイエンス学部4年生の赤石草太君が、IEEE Information Theory Societyが協賛する国際会議Conference on Information Sciences and Systems (CISS) 2019で研究発表しました。
IEEEは、情報処理の世界でACMと並んで有名な巨大な学会です。CISS 2019は2019年3月20日~22日に、米国ボルチモアのJohns Hopkins Universityで開催されました。
発表会場のHodson Hallに到着した赤石草太君。
ここで国際会議の受付をします。
発表する部屋は315番教室でした。発表順は3番目です。
いよいよ発表です。様々な国から来た聴講者が真剣に発表を聞きます。
発表した論文のタイトルは「Classification of XSS Attacks by Machine Learning with Frequency of Appearance and Co-occurrence」です。Webの世界で問題になっているクロス・サイト・スクリプティング攻撃を、人工知能で有名な機械学習を使って分類するというものです。検出時に特徴となる情報の出現頻度だけではなく、共起度も使っているところに工夫があります。
CISS 2019では、著名な教授によるPlenary Talk (講演)も行われました。講演の教室は110番です。110番教室がどれくらいの大きさかというと…。
とても広いホールでした。
講演開始のかなり前ですので、まだ聴講者はそれほど集まっていません。
バージニア大学のMaite Brandt-Pearce教授による、「Visible Light Communications and Positioning」という講演がありました。
Brandt-Pearce教授が“Li-Fi”と名付けた通信のしくみで、Wi-Fiのように動作しますが、光りによる通信ですので病院でも使えます。
しかも、複数箇所からの光りの到達時間差で、GPSの電波が届かない屋内でも位置がわかります。
講演後の質疑応答では、Brandt-Pearce教授が、壇上ではなく聴講者の席を回って質問に答えてくれました。
香港中文大学のJohn C.S. Lui教授による、「Sampling Large Networks: Algorithms and Applications」という講演もありました。大規模なSNSなどを評価するアルゴリズムについての解説と実際の評価です。
あるユーザとそのフォロワーがいる場合、両者の趣味が近ければ近いほど良いSNSだと判断するというものでした。講演の最後に、「父親から大金をもらって、2つの音楽SNSのどちらかに投資しろと言われたらどうするか?」という話がありました。Lui教授のアルゴリズムに従って、その2つのSNSを分析すると、片方のSNSのほうがユーザとそのフォロワーが好きな音楽の共通度合いが高いということがわかりました。「投資をするならこっちの会社だよね」というところで講演は終了しました。
CISS 2019では、その他にも興味深い研究発表が多数行われました。会場を少し紹介しておきます。
会場になったHodson Hallです。
Johns Hopkins Universityのキャンパスはとても広大です。奥に見える建物は、一般道を挟んでさらに向こう側にあります。
キャンパスには桜が咲いていました。
CISS 2019は、Johns Hopkins Universityの主催です。
会議3日目の午後はプログラムがありませんでしたので、マクヘンリー要塞(Fort McHenry)を見学に行きました。要塞の中心に塁壁(rampart)があり、そこに星条旗がなびいています。
米英戦争の際にマクヘンリー要塞は英国海軍の艦隊による攻撃を受けましたが、守り抜きました。砲撃が止んだ後に、星条旗が塁壁の上に翻っているのを見て、弁護士のフランシス・スコット・キーが詠んだ詩が、現在の米国国歌になりました。
マクヘンリー要塞は国歌誕生の地です。
東京工科大学コンピュータサイエンス学部では、学部生も国際会議で研究発表するなど、活躍しています。
2019年11月 5日 (火)