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富山県高岡市で開催された情報処理学会DPSWS2023で研究成果を発表しました

コンピュータサイエンス学部クラウド分散・分散システム研究室の4年の平尾真斗です.2024年4月から東京工科大学大学院コンピュータサイエンス専攻に入学予定です.

私は,2023年10月25日から10月27日まで富山県高岡市で開催された情報処理学会 第31回 マルチメディア通信と分散処理ワークショップ(DPSWS2023)で論文の口頭発表を行いました.このワークショップには一般発表,ポスター発表,デモ発表の3種類があって,投稿した8ページの論文が査読され,このうちの一般発表として採択されました.このワークショップの主な参加者は,博士課程と修士課程,学部の学生,大学教員,研究機関研究者でした.会場は,富山県富岡市の雨晴駅近くにある「磯はなび」という施設でした.

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論文発表のタイトルは,「監視システムの設定ファイル内でのアラート設定箇所の集約と機能ごとの分割による可読性の向上」です.この研究の目的は,企業がシステムの監視に用いる監視ソフトウェアの設定ファイルの可読性を向上させることです.監視ソフトウェアの設定ファイルは,一般に監視対象やアラートを出すための条件を記述します.運用しているときに,監視を行う対象の増強やアラートを出す条件の見直しに伴なって,設定ファイルの追加修正をします.その際,設定ファイルの可読性が低いことで,誤った設定の追加や修正箇所を探すための時間がかかるという課題があります.ワークショップの論文発表では,設定ファイル内で監視対象や監視条件の記述を分割して,アラート設定を一つにまとめることによって,可読性を向上させる設定ファイルのフォーマットを提案しました.この設定ファイルを用いることで,修正箇所を探す時間の短縮や誤った設定の追加を予防することに繋がります.

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発表は15分行い9分間質疑応答でした.論文発表の順番が,ワークショップの一日目の一番目だったので,めちゃくちゃ緊張しました.論文発表自体は,時間通りにできました.その後に質問を6つほど受けました.正直,学会のワークショップでは,きつい質問や追及があるのではないかと思っていましたが,否定するのではなく,研究の改善点や次につながるアドバイスを教えていただくことができました.後で聞いたのですが,DPSワークショップは,「学生を伸ばす」ことを心がけているワークショップだったのです.緊張していて,1つ目と2つ目の質問はいい返答ができませんでしたがそれ以外はうまく回答できたと思います.

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発表の後に自分の発表に対しての意見や監視システムを運用する上での課題を教えていただくことができました.また,質疑応答で,うまく答えることが出来なかった質問は,SLACKで返信したり夜の自由時間で話をする機会があったので,そのときに回答することができました.

自分の発表が終わった後は他大学の学生の発表を聞き,気になったことについて質問をしました.特に九州大学の林田 宗樹さんの発表スライドは,一般的なZoom会議の話から課題の話に持っていく運びが大変参考になりました.またスライドのデザインも主張したい点のフォントを大きく見せる工夫があって,見やすかったです.

ポスター・デモセッション

1日目と2日目の夜にポスターセッションとデモセッションがありました.1日目がポスターセッションで2日目がデモセッションでした.ポスターセッションでは間違い探しゲームの研究や通信プロトコルの研究分野に分かれてセッションが行われていました.

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個人的に一番興味深いと感じたのは大阪府立大学の江本 裕紀さんが発表していたポスターです.害獣である鹿を監視するためのロープの設置手法を発表していました.ポスターの作り方と説明に対する回答の仕方がとても参考になりました.ちなみに 江本さんとは部屋が一緒でした.

2日目のデモセッションでは実際に動いているソフトウェアを見ながら説明を聞きました.正直デモセッション自体初めて見たのですが動いているソフトウェアを生で見れるためポスターや一般セッションと比べてまた違う楽しみがありました.

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発表を終えて

学会の発表まで行くには正直めちゃくちゃしんどい時もありました.これを乗り越えられたのは発表をしたいという強い意志があったからです.また今回の学会で新たな意見をいただけたので今後も活かしていきたいと考えています.

今後の課題と展望

今後の課題として可読性の指標を増やすことが挙げられます.今回の論文では行数や一行あたりの文字数で提案の設定ファイルの形式を評価しましたが,質問の一つに「その2つの指標で可読性が上がったとはいえないのではないか」という意見をいただきました.可読性を評価できる指標はそれ以外にも変数の多さやインデントの数などがあります.新たにこれらの指標を取り入れて評価を行なって,可読性に関してより深掘りして評価する予定です.

2023年11月 7日 (火)

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