情報処理学会 第197回DPS研究発表会(2023年12月)で論文発表をしました
2023年12月25日 (月)
こんにちは.本学コンピュータサイエンス学部4年の五十嵐 蓮です.私は,2023年12月21日から22日までの2日間で,宮城県大崎市にて開催された情報処理学会第197回マルチメディア通信と分散処理研究会(DPS197)で論文発表を行いました.この発表は,宮城県大崎市にある「幸雲閣」の別館で行いました.
発表会1日目
発表の感想
私は,”共通の受信パケットを損失したノード数にもとづくマルチキャストとユニキャストの切り替えによる重複して受信されるパケット数の削減”というタイトルで発表を行いました.この研究の目的は,複数台のIoTデバイスのファームウェアをアップデートする際に発生するパケットの再送信を効率化させることです.本稿では,ファームウェアをパケットに分割して送信する場合にマルチキャストで送ると無駄なデータがIoTデバイスに届いてしまいます.一方,ユニキャストで送ると転送時間が増えてしまうということで,このトレードオフを課題としています.提案では,マルチキャストとユニキャストを切り換えることで重複パケット数と転送時間の増加を抑制して,再送信を行うというアプローチで課題の解決をしました.
発表は,15分行い,その後5分間の質疑応答がありました.発表の後は2つ質問を頂きましたが,はじめての研究会の参加で緊張していたこともあって,適切な返答が出来ませんでした.しかし,質問の内容は前提を確認したり,研究を助長するものだったりと前向きなものばかりだったため,落ち着いて返答するべきだったと反省しています.
自分の発表が終了した後は,他の方の興味深い研究を拝聴しました.中でも神奈川工科大学の小林 悠生さんの研究である”送受信量時系列データの類似性に注目した無線通信の複数経路推定手法の提案”は,分野が近いながらも新しいアプローチだったので興味深かったです.
発表会2日目
発表会2日目は,機械学習とインターフェースに関する研究発表が行われました.自分には全く知見の無い分野だったため新鮮でした.
中でも,仙台高専の渡部 柚さんの研究である”ロコモーションインターフェースを用いた座位姿勢での歩行操作によるVR酔い軽減効果の検証”では,見やすいパワーポイントと親しみやすい研究内容で,自分からも質問をさせていただきました.
他学生との交流
1日目の発表が終わった後はバイキング形式の夕食・朝食を食べて,醍醐味の一つである温泉に入りました.夕食ではカニの食べ放題があり,同じ宿泊部屋に泊まる他大学の学生とともに食事を楽しみました.他の学生とお互いの研究や研究室の活動について話を交わし,交流会として多くの刺激を受けることが出来ました.特に研究に対するモチベーションに違いがあって,もっと自分も頑張ろうと思いました.また泊まったところには,最上階に露天風呂があって,極寒の外気と熱々の湯のギャップを楽しむことができました.
情報処理学会DPS研究会に参加して感じたこと
私がDPS研究会に行って痛感したことは研究に対する意識の差でした.私は,最後まで自分の研究に自信が持てない部分があって緊張をしていました.しかし,発表者の方の多くは自信をもって発表を行い,様々な知見を持った教授陣の方たちからのアドバイスを積極的に取り入れていました.その前向きな姿勢を見て,”自分ももっと研究に注力するべきだった”と後悔がありました.
しかし,一方で,DPS研究会で発表したことで達成感も感じました.DPS研究会は自分が行ってきた研究を一度まとまった形にして,外部(自分の大学以外)の方々の貴重な意見を頂くことでき,一つ区切りをつけることができる有意義な機会になったと感じました.
今回のDPS研究会で感じた後悔と達成感を糧に,今後も精力的に頑張っていきたいと思います.
2023年12月25日 (月)