国際会議IMCOM 2025で論文発表を行いました
情報セキュリティ研究室に所属するコンピュータサイエンス専攻修士2年の山裕人(発表時は修士1年)です。2025年1月に開催された国際会議IMCOM 2025 (19th International Conference on Ubiquitous Information Management and Communication)で論文を発表してきました。開催地はタイの首都バンコクでした。日本からは、東京工科大学の他、お茶の水女子大学、青山学院大学、九州大学などから発表がありました。
会場はAmari Bangkokホテルで、バンコクの中心部に位置するとても立派な5つ星ホテルです。会議の設営も立派でした。論文は米国の有名な学会であるIEEEから発行されますので、IEEEのロゴが入っています。
私の発表の様子です。それぞれの発表者がオンラインと対面の両方で発表をする形式になっていまして、その都合上、自席から発表するという特殊な形式をとっていました。質疑応答も、会場にいる参加者とオンラインの参加者からの両方に対応します。私の発表は「Machine Learning Approach to Malware Classification Using Byte n-grams on IoT Devices」というタイトルで、機械学習でマルウェアを分類する研究についてです。近年では、NGAV (Next Generation Anti-Virus: 次世代アンチウイルス)と呼ばれる、主に人工知能を利用したアンチウイルスソフトウェアが流行っています。皆さんがお持ちのパソコンやスマートフォンにも入っているかもしれません。一方で、IoT機器は小型で低性能なものが多く、このようなアンチウイルスソフトウェアがありません。そこで私の研究では、バイトn-gramというものを使って、小さいファイルサイズとメモリサイズで機械学習を行うことで、IoTデバイスにインストールできるアンチウイルスソフトウェアを開発しました。
このように、オンラインでもスムーズに発表を聴講できるようなしくみになっていました。
会場の様子です。もちろん、この他にもオンラインの聴講者がいます。
基調講演は5つあり、4つがオンライン、1つが現地での講演でした。写真はオンラインのものです。中でも、フランスのコンピエーニュ工科大学のLounis Adouane教授による「Resilient and Trustable Control Architecture for Autonomous Navigation in Complex Environments / Situations」には大変感銘を受けました。現在、機械学習による人工知能がほとんど何にでも適用される中、Adouane教授らの自動運転技術は楕円曲線のパラメータを計算しているだけで機械学習を使っていません。これにより、自動車が高速に応答できるそうで、デモ映像でも移動する障害物を自動車が次々と簡単に避けながら走っていました。
会議のバンケットも盛大に行われました。バンケットでは、現地の踊りも紹介されました。
IMCOMは、韓国の成均館大学校とマレーシアのクアラルンプール大学が主催していまして、アジア地域からの投稿が多いのですが、最近では北アメリカからの投稿も増えてきているようです。
高いところから見たバンコクの様子です。こうして眺めてみると、東京に似ています。
夜景も綺麗でした。
2025年6月 2日 (月)