前期卒業式
2016年9月20日 (火) 投稿者: CSスタッフグループ3
コンピュータサイエンス学部は、学生による様々な学会での発表をはじめ、オープンソースによる学修・研究成果の公開、さらには在学中の起業まで、多彩なチャレンジを体系的にサポートする環境と教育を提供し、意欲ある学生の可能性と能力を伸ばしています。
たとえば最近では、ICT関連の大規模な国際展示会への出展や、オープンソースの世界的会議におけるパネリストとしての登壇など、業界も注目する大舞台で本学学生が活躍しています。 そのほか数多くの学会での表彰や受賞など、視野とフットワークを学外に広げた本学学生の挑戦から、多くの成果が生まれています。
現代社会を支えるICT関連技術の中でも、今後ますます重要性が高まるAI(人工知能)、医療IoT、セキュリティといった先端分野の研究に積極的に挑戦しています。
たとえばAI関連では、ディープラーニング(深層学習)の技術を用いることで「安全な出産」をサポートする手法の開発研究を推進しています。
また、医療IoT分野では、本学の応用生物学部や医療保健学部と共同で、障がい者向けのパソコン操作補助システムの開発や、医療からスポーツ、楽器演奏まで幅広く活用できる超小型モーションキャプチャーシステムの開発など、実用化が楽しみな多彩な研究が進行中です。
2015年5月12日 (火) 投稿者: CSスタッフグループ3
2014年12月22日 (月) 投稿者: CSスタッフグループ3
2014年11月12日 (水) 投稿者: CSスタッフグループ3
2014年11月 5日 (水) 投稿者: CSスタッフグループ3
2014年10月31日 (金) 投稿者: CSスタッフグループ3
2014年10月 8日 (水) 投稿者: CSスタッフグループ3
2014年8月 5日 (火) 投稿者: CSスタッフグループ3
2014年1月22日 (水) 投稿者: CSスタッフグループ3
2014年1月 8日 (水) 投稿者: CSスタッフグループ3
2013年12月24日 (火) 投稿者: CSスタッフグループ3
今年最後のCS女子会に、サンタとトナカイがやってきました。
日頃は厳しいと噂のサンタに扮するI先生と、やらされ感満載でうつむき加減のトナカイに扮するT先生と一緒に、お昼ごはんを食べながら、クリスマスグッズを折ったりしながら、楽しい時間を過ごしました。サンタとトナカイの撮影会が長かった気もしますが・・・
手作りのお菓子を持ってきてくれた女子(おいしかった!)、職人張りの紙細工の腕をお持ちの女子(トナカイのクオリティ、高っ)、プログラミングは間違えないのに折り方を何度かお間違えになる女子(・・・)、学生も、教員も、サンタもトナカイも、いつもとは違う面を見ることができて、私自身、今回も楽しかったです。今度は何に扮してもらいましょうかね(笑)。
2013年11月 6日 (水) 投稿者: CSスタッフグループ3
先週の水曜(10/30)、女子学生のための懇談会を開催しました。
毎回ささやかに開いているこの会ですが、参加者のトークはアツいです。CS学部の女子学生ならではの苦労を共感したり、先輩から後輩へのアドバイスがあったり。
なかでも大学院生から1年生へ、苦戦中のプログラミングの授業についてのアドバイスにはかなりの説得力があり、大学院生の彼女には後光が差して見えました(笑)。
学年隔たりなく話ができるのもこの会のいいところですが、学生と教員との距離が近く話ができるのも、またいいところです。みんなが授業や学生生活で感じていることや最近の若者事情など、教員にとっても得るものが多い、楽しい機会です。
次の機会、どんな話が聞けるのかな。楽しみです。
2013年8月22日 (木) 投稿者: CSスタッフグループ3
8月17日にコンピュータサイエンス学部主催の高校生を対象としたプログラミング講習会が開催されました.参加した高校生は,Java言語をベースとした教育用プログラミング開発環境である「Greenfoot」を利用して,ゲームをテーマとしたプログラミングの演習を行いました.
亀田先生と受講した高校生とサポートした大学生
講習会では亀田先生及び大学院生による導入講座,またプログラミング講習会用に作成された教材を利用した演習が行われ,高校生が積極的に課題に取り組み,自主的に問題発見及び問題解決をしようとする姿勢が見られました.
講習会の様子
キャラクターが障害物を回避しながら行動する課題では,高校生から「新たに障害物に衝突したことを判定する処理を加えたい」という意見が出されました.サポートを行っていた学部生と協力して解決に取り組みました.
課題に取り組む
このような課題に対して自ら疑問を抱き,協力者と共に問題を解決することは,大学教育における重要な要素です.社会へ出た際にも必要なスキルとなるため,高校生にとって有意義な体験であったと思います.
最後に受講者全員に受講証が授与され,記念撮影をしました.
受講証授与
今後も高校生の皆さんにとって貴重な体験となるよう内容を充実させていきますので,是非積極的な参加をお願いします.
2013年7月26日 (金) 投稿者: CSスタッフグループ3
コンピュータサイエンス学部広報担当です.コンピュータサイエンス学部の3年生と2年生のチームが「第37回ACM国際大学対抗プログラミングコンテスト(ACM-ICPC)」の予選を通過しました.参加チーム総数326チームで通過チームは33チームという超難関を突破した快挙です.チームメンバに感想を聞きましたので掲載します.
CS学部3年の小澤です.今回,ACM-ICPCの予選を通過させていただきました.予選では,2年生のメンバーとうまく協力して問題を解きました.なぜか最初の問題が分からないという事態が起きてしまいました.2年生のフォローで,基本的な考え方でよいという事に気づかせてもらって助かりました.
予選通過の知らせを聞いたときは本当に驚きました.あとで予選の通過条件を見たところ,かなりラッキーな通過であったことが分かりました.何はともあれ,次のアジア地区予選を頑張りたいと思います.
CS学部2年の行木です.今回のICPC国内予選,自分は楽しむだけのつもりでいたら,アジア予選に出場ということで,正直驚いています.
国内予選では,ほとんど先輩にコーディングをお任せしてしまい,その間に2年生2人が問題を読みといて先輩にお伝えするという形でした.2年生のざっくりとした説明をコードに落としこむ先輩はとてもすごいと改めて実感しました.また、私自身、コードには落としこんでいなくても,このアルゴリズムを使えばこの問題は解けるとわかった瞬間はとても気持ちがよく,とても楽しんで国内予選に挑めていたと思います.このような機会はあまりないと思うので,アジア予選も精一杯楽しんできたいと思います.
CS学部2年の東平です.今回は先輩の力をお借りして,なんとかアジア地区予選出場となりました.1人では解けないような問題にも,チームで協力して取り組むことの素晴らしさを知りました.
プログラミング初心者の私が,思い出作りにと参加した初めてのICPCで,このような結果になるとは思っても見ませんでした.大学の代表として出るからには,チームの足を引っ張らないように,精いっぱい頑張りたいと思います.
皆さん是非,次の予選も勝ち進んで世界大会に出てほしいものです.大学のサイト(http://www.teu.ac.jp/information/2013.html?id=205)にも出ていますので,どうぞ見てください.
2013年7月15日 (月) 投稿者: CSスタッフグループ3
前回の記事に引き続き,サウジアラビアに25ある国立大学の中でも有数のJazan大学が6月17日に東京工科大学コンピュータサイエンス学部を訪れた時の様子をお伝えします.
午後の3つ目は,Jazan大学からの要望に学生実験の参加がありましたので,大石先生が担当している実験「ディジタル信号処理」の一部を経験してもらいました.
ディジタル信号処理の実験うち「着メロ」の実験をサウジアラビアの学生に体験してもらいました.最初に,大石先生がディジタル信号処理の基礎を10分間簡潔に説明した後,実験に取り組んでもらいました.大石研究室にいる日本人の学生と数名のサウジアラビアの学生でグループを作り,実時間処理で着メロ演奏の基礎とビートルズの「LET
IT BE」のメロディー作成を体験しました.日本人の学生は,英語で実験手順を説明することの難しさ,英語の必要性を実感しました.サウジアラビアの学生は着メロの作成の原理と実験を体得し,有意義な時間を過ごすことができたことと思います.
午後の4つ目は,これも要望がありましたが,本学で行われている実際の講義の見学です.その時に,たまたま行なわれていた上田先生の講義「ネットワークエンジニアリング」を聴いてもらいました.といっても日本語の講義ですので,雰囲気を感じ取ってもらうということで,15分くらい聴いてもらいました.
以上の見学終了後,コンピュータサイエンス学部主催の懇親会が開かれました.研究紹介を行った三田地研究室,坪井研究室,大石研究室の学生たちも英語でJazan大学の学生達と交流を図っていました.どれぐらい英語でコミュニケーションができたか分かりませんが,学生達にとっても貴重な経験だったようで楽しそうでした.
2013年7月 8日 (月) 投稿者: CSスタッフグループ3
サウジアラビアに25ある国立大学の中でも有数のJazan大学の学生14名と教授1名が6月17日に東京工科大学コンピュータサイエンス学部を訪れました.
午前,本学に到着し,最初に亀田学部長がご挨拶と本学の説明をしました.
午後の1つ目は,三田地先生の研究室見学です.三田地先生が研究している内容のうち,希望をとって,光ファイバ型睡眠時無呼吸センサ(F-SAS)システムと単一光子応答バイオフォトニックデバイスの基礎研究(人工網膜への応用が可能)を説明しました.
F-SASセンサシステムはプラスチック光ファイバをベッドの上に敷いて,人が寝ているときの圧力の変化で睡眠時無呼吸症候群を検出するものです.実際にベッドを使って,測定データを取得する機器やそのデータを無線LANを用いてサーバに転送し,解析してモニタ上に結果を表示するところを見てもらいました.
三田地研究室の学生3人が体験測定に協力しました.解析ソフトや受信システムソフトのプログラム言語やF-SASセンサシステムの製品化について質問が出ました.次のように回答しました.言語はC++です.産学官連携で,製品化を目指して臨床試験を行うとともに,小型化を図っています.
午後の2つ目は,坪井先生の研究室見学です.片柳研究所棟にあるCSリサーチセンター内実験室で,RFIDを用いた屋内位置検出技術,ZigBeeを用いたセンサーネットワーク,アドホックネットワークのコンピュータシミュレーションを見学してもらいました.
坪井研究室の大学院の学生達が,ZigBeeネットワークのデモや無線ネットワークシミュレーションを交えて説明をしました.最後にサウジアラビア王国からの留学生(修士1年生)がメッカにおける巡礼者のための誘導案内システムの研究紹介を行いました.サウジアラビアの学生達は熱心に聞き入っていました.
2013年6月24日 (月) 投稿者: CSスタッフグループ3
2013年6月 3日 (月) 投稿者: CSスタッフグループ3
4月17日、生活環境デザインコース教員が担当しているフレッシャーズセミナーで、新入生学部交流会が開催されました。
集まった新入生がランダムにグループ分けされ、将来の夢についてのインタビューや、大学、コンピュータサイエンス学部に関するクイズを共同で解いたり・・・。
初めて顔合わせのグループは、固い雰囲気でのスタートでした。
ところが、司会進行の黒ラブさん(後で知ったのですが、科学を面白く解説する仕事もしている人で本学のOBらしい)が、物凄いテンションと話術、イラストで教室内の全ての人(教員ももちろんです)を引きずり込み、雰囲気を一変させました。
その後、将来の夢などについてグループで付箋に書き出し、黒ラブさんがその夢を聞きながら・・・コメントで笑いを取りながら・・・グループ内での話が盛り上がって行きました。
“単位を全部とる!”“いい成績とる!”などの目標も書いてありましたが、中には“やせる”や“×××”など、コメントできない内容もあったようです。
この後、弁当を食べながら・・・大学や学部に関するクイズ大会。
インターネットで調べたり、実際にキャンパスへ調査に行ったりしたグループもあったようです。そして・・・黒ラブさんが、笑いを交えながらクイズの答えを公表し、正解の多いグループに賞品(ゴキブリのラジコンなど?)が出ました。
ラストにビンゴゲームをするころには、新入生みんなすっかり打ち解けて喜んでいる?様子でした。
2013年5月10日 (金) 投稿者: CSスタッフグループ3
4月20日(土)、ネットワークコースの教員が担当した新入生のグループによる「新入生学部交流会」―紙飛行機の作成と対戦―が開催されました。100名ほどの新入生が20名ずつの小クラスに分かれ、上級生とネットコースの教員の指導のもとに行いました。午前中は1人少なくとも1機ずつ競技用紙飛行機の製作に取り組みました。
厚紙から飛行機のパーツをハサミ、またはカッターで丁寧に切り出し,接着剤で丈夫にはり合せます。切り取りと接着の正確さにより飛行時間が決まるので、どの学生も真剣に取り組んでいました。1人で1機の飛行機を丁寧に作る学生もいれば、数機作って,試験飛行し,最も良く飛ぶ飛行機を選ぶ学生もいました。
昼食の最中も飛行機作りに熱中し,飛行機作りのノウハウをお互いに教え合っていました。
午後は体育館に移動して,滞空時間の長さをチームごとに競いました。試験飛行では飛行機が右左に曲がることなく飛ぶかどうかをテストし、機体のねじれ、曲がりを直します。テストと調整を繰り返し、競技に臨みます。テスト飛行では,どの学生も童心に戻って,楽しんでいました。
4~5名の学生が一斉に飛行機を飛ばし、滞空時間を競いました。予選を経て決勝に進んだ学生は真剣です。
当日は雨で肌寒い天候でしたが、競技はチーム戦で行われ、体育館には歓声が響き渡り,すごい熱気でした。競技用紙飛行機の製作と競技会の開催で学生同士交流の場・時間をもつことができました。
2013年4月25日 (木) 投稿者: CSスタッフグループ3
コンピュータサイエンス学部広報担当です.
4月20日(土)にソフトウェアコース教員担当のフレッシャーズゼミ所属の1年生による「新入生学部交流会」を開催しました.みんなで集まってピザを食べながら,クイズを作成し解きます.
イベントの説明
ソフトウェア開発の世界では,研究者が集まってピザなどを食べながら,プログラム開発について議論することは良く行われています.今回はそれを真似して,イベントとしてみました.
まずは腹ごしらえ
100人弱が集まった1年生は,4~5人のグループに分かれ,グループごとに4択問題のクイズを作成します.作成した問題は moodle と言う授業システムを使用して,作成した問題をパソコンから登録します.最終的に全グループの問題を集め,「小テスト」に編集し,それを各グループがパソコンから受験します.
ビザの空箱が積まれていきます
受験結果はすぐに集計され結果が出ます.成績の上位3チームには,豪華賞品が出ると言うことで,みな真剣に取り組みました.
しっかり議論・考えます
全部で21グループあったので,問題は21問です.「スクールバスのイスは何列あるか?」のような問題では,走って調べに行く学生もいたようです.
優勝・2位・3位のチームは賞品をもらい満足げでした.
優勝チームの表彰
このようなイベントにより,新入生同士のコミュニケーションが活発になっていくのを期待します.
2013年4月22日 (月) 投稿者: CSスタッフ_A
4月17日の午後、メカトロニクスコースの教員が担当した新入生のグループによる「新入生学部交流会」が開催されました。
60名ほどの新入生と、上級生、メカトロニクスコースの教員が片柳研究所棟10階(アクティブラーニングセンター)に集まり、3~4名ずつのチームに分かれてライントレースロボットの製作を行いました。
開始前は、ロボット製作という内容にとまどいを感じたり「他のコースのようにお弁当食べたかった」なんていう新入生もいたようですが…
始まってみれば、上級生からハンダ付けのテクニックを教わったり、手順や部品の付け方をチーム内で互いに確認し合ったり、上級生もまじえて地元トークで盛り上がったチームもあったりと、それぞれに交流を楽しんでくれたようです。
ロボット完成後には、大きめのコースを使ってタイムトライアルを行いました。
この頃になると、複数のチームが集まりわいわいガヤガヤと楽しそうでした。
動作確認用の小さなコースを複数つなげて複雑なコースを作る、という新しい発想を生み出していたチームもありました。
なかには、細かいハンダ付けに苦戦し、完成したと思ってもロボットがうまく動作してくれなかったり、センサの取り付け方を間違えてたいへんなことになっていた新入生もいたようです。
それでも、新入生同士で助け合ったり、上級生の助けも借りながら問題を解決しようと頑張っていましたので、それぞれにとって有意義な時間となったのではと思います。
あと少しで完成・走行というところで時間切れとなり、残念、という新入生もいましたが…
とある会社の人事部長のお話によると、「うまくいかなかったことを経験した社員の方が社内で活躍できる」とのことですよ。
今回の経験を今後に生かしていってほしいな、と思います。
2013年4月 8日 (月) 投稿者: CSスタッフグループ3
CS学部ではこの4月、新入生学部交流会を開催しています。新入生は7つのグループに分かれ、交流します。
先日、エンターテイメントコンピュ―ディングコースの教員が担当したグループが早くも交流を深めました。(実際のコース選択は2年進級時です)60名ほどの新入生と上級生も加わって、グループディスカッションを行いました。
「工科大を良くするにはどうしたらよいか?」というお堅い(?)テーマについてディスカッションしつつ、心配事を上級生に相談したり、同級生と共有したり、LINEのID交換なんかも(時代を感じますね・・・)。
ディスカッション後も、1年生と上級生でわいわいとお弁当を食べ、それぞれに有意義な時間を過ごせたのではないでしょうか。「こうした交流会を度々設けてほしい」との声にも応えていけたらな、と思います。
2011年1月19日 (水) 投稿者: CSスタッフグループ1
研究という道を選んで20年余りも立ち,日本国内や海外の学会に数多く参加してきて,様々なハプニングに出会ってきました。今回は,昨年3月にチリで開催されたIEEE International Conference on Industrial Technology(2010年3月14日~17日)という国際会議に参加したときの体験を皆さんに披露したいと思います。
1) 税関突破?
出張する直前に,フライトチケットを購入した旅行会社から連絡があり,チリ地震(2010年2月27日にチリ中部沿岸でマグニチュード8.8の地震が発生し,八百人を超える死者が出るほど大きな被害があった。)の影響で,もともと予約したトロントからチリ首都サンディアゴ行きの直行便がキャンセルになり,アルゼンチンのブエノスアイレスで乗り換える便と一緒になりました。早速ホームページで確認したら,中国人はアルゼンチンでフライトの乗換えでも通過ビザ注1)が必要だそうです。後一日しかありませんので,いまさらビザの申請が無理だと思いました。仕方なく,とりあえずアルゼンチンの税関で運試しを覚悟して出発しました。取ったルートは「成田~トロント~ブエノスアイレス~サンディアゴ」でした。そのまま引き返すこともあるかもしれませんので,飛行機の中でとりあえずゆっくり休みました。トロント空港で6時間ほど待ちまして,不安を抱えてアルゼンチンに向かいましたが,心配と裏腹に,セキュリティーチェックだけで済んで,通過ビザ無しでも全然大丈夫でした。ほっとして,ブエノスアイレス~サンディアゴの飛行機の中でフリーのワインを飲んで祝杯をあげました。
2) チリの入管
現地時間午後4時にサンディアゴに無事に到着しました。着陸45分後にようやく機内から出ることができました。搭乗口まで通路があるのに,なんと飛行機の搭乗用階段でエプロン(駐機場)に降りることになっていました。降りてからやっと時間がかかる理由がわかりました。地震で空港の設備はすべて使えなくなり,乗客の荷物はなんと飛行機の周りに並べてありました。やっと自分の荷物を見つけて,建物に向かおうと思ったら,テントの方へ誘導され,なんと入国手続きはすべてテントの中でやることになっていました。結局,サンディアゴの空港建物には一歩も踏み入れず,連結されているテントを通って午後5時半ごろにようやく通関し空港を出ました。
3) 予約したホテルは?
サンディアゴから120 kmも離れているVina del Marという学会開催地やっとの思い出で到着しました。しかし,自分の予約したホテルはなかなか見つからず,書いている住所の近くで尋ねてみましたら,地震でこのホテルがすでに廃業となり,看板もはずしていました。「道理で!」と納得すると同時に,出発直前にホテルに出したe-mailに返事がもらえなかった理由もわかりました。仕方なく,夜の8時に荷物を抱えて,闇雲のごとく,町の中を走り回ってホテルを1軒ずつ訪ねてみました。英語をしゃべっても相手に理解してもらえず,「地球の歩き方」からスペイン語のカタカナ発音を確認し片言をしゃべって交渉しました。このとき,工科大初代学長の高木先生がおっしゃった「スペイン語が重要だ」の意味がよくわかりました。運よくあるホテルの屋根裏部屋が空いていました。早速手続きしてホテルに入り,幸せのシャワーを浴び,落ち着いて再度町の中のコンビニを探し,飲み物を買って無事到着を祝いました。
その後,学会発表が無事に終わり,また,特に,IEEEのIndustrial Electronics Societyのアメリカグループの皆さんと意気投合し,いろいろのディスカッションができたことはとても大きな収穫でした。
注1:通過ビザに関する独り言:
僕は中国の国籍で,ほとんどの国に行くのに前もってビザを取得しておく必要があり,大量の書類を用意するために,大学の関係者にお手数をかけまくっています。また,学会発表よりも,そのビザを取るのに疲れてしまうことがしばしばあります。特に911事件の後,その国に入らないで空港での乗換えでも「通過ビザ」というビザを前もって申請しなければならないように,アメリカをはじめ多くの国が要求するようになりました。なるべく通過ビザのいらない国または割と簡単に申請できる国を選んで,フライトルートを選択している今日この頃です。
CS学部 佘 錦華
2011年1月20日
2010年12月15日 (水) 投稿者: CSスタッフグループ1
Cargo cultという言葉が生まれるに至った過程、また、この言葉の持つ意味の議論は、非常に興味深いものですが、それはさておくことにします。ここでは、cargo cult というのは、「その本質をとらえずに形だけを真似ること」、だと考えてください。例えば、綿密な生産スケジューリングという本質を理解せずに、トヨタのカンバン方式の形式だけをまねると、多分、cargo cult 経営と呼ばれるでしょう。プログラミングの分野では、他人の書いたプログラムの意味を考えずに、形だけを真似る(例えばコピー&ペーストする)ことをcargo cult programmingと言います。
何事につけ、学習は他人のまねからはじまります。それは自然なことですが、いつまでも初期段階にとどまっていては進歩がありません。学習を次の段階に進めるためには、学習対象の本質は何かを、つきつめてゆく必要があります。プログラミングの本質とは論理の組み立てでしょう。また、実際に論理を組み立ててプログラミングするときには、最低限、言語仕様や使える部品(ライブラリなど)の仕様を理解することが必要です。できれば、なぜ仕様がそうなっているのかまで考えると、仕様を決定した人物・組織が、その機能を実装するのに念頭に置いた方法が想像できるようになります。それは、仕様をより深く理解するのに役立つし、仕様が記憶に残りやすくもなります。
私は本学でプログラミングも教えていますが、毎年必ず不可とせざるを得ない学生がでます。そういった学生は、cargo cult programming をしていると感じます。
Cargo cult programming から抜け出るには、1に良く考えること、2に良く調べることが必要です。どちらも習慣のようなもので、若い方が身につけやすいと感じます。もし、これを読んでいるあなたが、「なぜそうなるのか?」という疑問が浮かび上がってきたときに、「面倒だ」と深く考えずに流してしまっているならば、是非今日から、もう一歩考えたり、調べたりしてみてください。
特に調べる方は、今日の検索技術をもってすれば、極めて容易です。
手始めに、cargo cult を調べてみては?
S.Y
2010年11月 5日 (金) 投稿者: CSスタッフ_A
秋といえば学園祭のシーズン.本学八王子キャンパスでも連休中の10月10日~11日にかけて,毎年恒例の"紅華祭"という名称の学園祭が開催され,キャンパスは様々なイベントやお店等で賑わいました.私の研究室ではこの祭りの2日目の午後にあえてゼミ(研究に関するミーティング)を開催しました.これまで学園祭にあまり縁の無かった学生や私も,祭りに接する良い機会になりました.お昼に学生達でごった返す店の並びに行ってみると,某運動部が出しているお店の前で,私の研究室に所属する学生がたこ焼きの宣伝を行っていたので(写真),そこで昼食を調達しました.その日の研究室ゼミはメンバーそれぞれ自分の研究テーマに関連する英語の論文の内容を発表する回で,皆,四苦八苦しながら説明をこなしました.研究室の卒業生の何人かも休日であることを利用してゼミに顔を出してくれました.論文紹介に格闘する4年生達も,1年後には彼ら卒業生達のように逞しく社会の第一線で活躍しているのかと思うと何だか不思議な気持ちになりました.
M.K.
2010年10月31日 (日) 投稿者: CSスタッフグループ1
こんにちは。CS学部で数学の講義を担当している亀井です。
私の専門は幾何学で、普段は図形について研究しています。と言うと、みなさんはどんな様子を想像するでしょうか?
コンピュータに向かって絵を描いている人?風船を膨らましたり縮めたりしている人?
みなさんは「図形を研究する」ということについて、うまく想像することができないかもしれません。
研究者は図形を調べるために、それらの中身を手術したり、押し潰したり、叩いて音を聴いたりします。そんな中で、私は主に図形が喋る言葉を理解することで、その形を調べています。
ということで、今回は「図形が喋る言葉」についてお話してみたいと思います。
図1の図形を見てください。円盤に穴が開いています(コンパクトディスクや50円玉を想像すると良いです)。
この図形に、点xから出て戻ってくる向きのついたループを描いて、このループに「a」という名前を付けます。ループはゴムのように伸び縮みできると考えます(図1-1と図1-2のループは同じものと見る、ということです)。
また、「a」と逆の向きがついたループには「A」という名前を付けます(図1-3)。さらに、「a」というループを二つ繋げてできる、二周回ったループは「aa」とすることにします(図1-4)。同様に「aaa」、「AAA」なども考えることができます。これらは全て、この図形が喋る「単語」だと思うことにします。
さて、唐突ですが、ちょっとループを手前に引き寄せてみましょう(図2)。もし、ループが図形の中での連続的な変形で手元に戻ってくるならば、そのようなループ達には「e」という名前を付けることにします。これは「empty(空)」の頭文字で、「なにも喋っていない」ことを意味します。
図1の例で名前を付けた「a」や「A」や「aa」は、引き寄せようとすると穴に引っかかって手元に戻ってきません。一方、「aA」は引き寄せると手元に戻ってくるので、「e」と同じループです(「aA = e」)。つまり、この図形は「aA」という単語は「喋れない」ことになります。
図3―1は二次元球面と呼ばれる図形で、ボールの表面の形をしています(ビーチボールを想像すると良いです)。
この図形ではどんなループを描いても、引き寄せると引っかからずに戻ってきてしまいます。つまり、この図形は「e」しか喋れない(=なにも喋れない)、ということなのです。
図3-2は二次元トーラスと呼ばれる図形で、ドーナツの表面の形です(浮き輪を想像すると良いです)。
この図形には、「a」と「b」二方向にループを描くことができます。それらを組み合わせて、「ab」とか「aabA」とか「Abb」とか、複雑なループ(=複雑な単語)を作ることも出来ます。ちょっと注意が必要なのは「abAB」で、これは引き寄せると手元に戻ってくるので「e」になります(図を描いて考えてみましょう)。
こう考えていくと、図形には無口な奴からお喋りな奴までいろんなタイプが居ることがわかります(図4)。
今回は絵に描ける図形ばかり見てきましたが、ちょっと想像できないような高い次元の図形でも、これまでの例と同じように言葉を調べることが出来ます。
そして、彼らの言葉に詳しく耳を傾けると、図形の曲がり方や表面に出来る流れの様子など、形にまつわる様々なことを知ることができるのです。
そんなわけで、私は今夜もワイングラス片手に宇宙の言葉を聴いているのでした(これはウソ)。
CS学部教員 亀井 聡
2010年10月25日 (月) 投稿者: CSスタッフ_A
こんにちは。東京工科大学CS学部の教員Chinnbukutsuです。今回は、CS学部の学生実験について紹介します。学生実験では、はじめにミニ講義が行われ、実験内容等について説明します。以下で、実験内容について簡単に説明します。
ミニ講義後、パソコンを用いて各グループがディジタルフィルタを設計しています。
DSPボードを用いてフィルタをリアルタイムで動作させます。
DSPボードで動作させたフィルタの特性を測定しています。
最後に、測定値と設計値を比較して、DSPボード上でフィルタが正確に動作したか否かを考察します。その後、各学生が実験内容、測定結果などをレポートにまとめ、提出します。この実験では、この他、着メロの作成なども行います。
CS学部教員Chinnbukutsu
2010年10月 5日 (火) 投稿者: S.C.松下
8月の下旬に、学会で東欧バルト3国のひとつリトアニアのカウナスに行ってきました。
これまで何回かヨーロッパに行ったことはありますが、バルト3国に足を踏み入れたのは
今回が初めてでした。日本は猛暑の盛りでしたが、リトアニアは暑すぎず涼しすぎずの
気候で、爽やかでした。リトアニアは1990年までロシア(ソ連)の支配下にあり、
その前年のベルリンの壁の崩壊などと時を同じくして独立を果たした国です。
それから20年が経ち、EUにも加盟し(通貨はEUROではありません)、西側の一員として
目立ちませんが着実に国造りを進めています。学会があったのはカウナスという町で、
現在の首都はヴィリニュスですが以前はこのカウナスが首都だったので、今でも
リトアニアで1、2を争う街です。川沿いには旧市街があり、鉄道駅周辺と川向うの
新市街が同居する落ち着いた街です。私たちの泊まったホテルは旧市街の入り口
付近にあり、旧市街に簡単に歩いて行くことができます。旧市街には古くからの教会や
聖堂、城跡が立ち並び、中世ヨーロッパの雰囲気を味わうことができます。
カウナスの旧市街には、中世の教会や聖堂が立ち並んで
います。写真はヴィタウタス大公教会です。
学会はソフトウェア(プログラム)を如何に効率的に信頼性よく開発するかを研究する
ソフトウェア工学関連の学会で、ホテルの会議室を借りきって、3日間で30件の発表が
ありました。東京工科大学からも4件の発表があり、これは一つの大学の発表としては
最多です。主にソフトウェア開発を効率的に行うためのモデルの紹介が多く、今後の
ソフトウェア開発に大いに参考になる内容でした。
学会はソフトウェアエンジニアリング関連の学会で、
3日間で30件ほどの発表がありました。
学会の最終日の午後には、バスでカウナスとヴィリニュスの中ほどにあるトゥラカイに
連れて行ってもらいました。ここは両側を湖に囲まれていて、街の中心のお城も
湖の中の島に築かれています。両側が湖なので湖面をわたる風が心地よく、
また岸からは湖に浮かぶお城を望むことができます。
今回の海外出張では、バルト3国のひとつリトアニアを初めて訪問し、カウナスの
町をゆっくり見学し、学会ではソフトウェア工学の最近の動向を知ることができ、
同じ分野の各国の研究者と親しく交流することができるなど、とても有意義な
出張になりました。
(T. K.)
2010年9月27日 (月) 投稿者: CSスタッフグループ1
前回はガンダムと英語について書いたドム子です。今回は最近特に感じていることについて書くことにします。
皆さんは「二項対立」という言葉になじみがありますか?漢字4文字が続くとなんだか難しい響きになりますが、意味は簡単です。2つの異なる概念が対立や矛盾の関係にあることを指しています。例えば、男性と女性、身体と精神、善と悪、理系と文系といったことです。そして、物事を分析する時に、こうした2つの項目を立てて枠組みを作り、物事をとらえていくということも指しています。この「二項対立」というとらえ方は、私たちの生活の中で昔から行なわれてきたことですが、1970年代~1980年代にフランスを中心に、意識して学問の中に取り入れられました。
2つの対立する項目を立てて分析することには、とても明確でわかりやすいという長所がある一方で、単純化しすぎるという短所もあります。例えば、世の中には実際に、簡単に白か黒で決着をつけられないものがたくさんあります。対立するグループには、それぞれのグループが自分たちの考えに基づいた正義があり、それを第三者が善か悪か、正か邪か、そんなに簡単に判断できるものではありません。私たちは、勧善懲悪の話を見聞きすると気分がいいものです。長寿番組『水戸黄門』がこれほど長く続いている理由も、8時45分頃に毎回黄門様の印籠(いんろう)が示されて、100%悪人が懲らしめられるからではないでしょうか。
しかし一方で、私たちは世の中がそんな簡単な状態ではないことを知っています。実際は白と黒の領域よりもグレーゾーンの方が大きいのです。1970年代終わりに『機動戦士ガンダム』が人気を博し、現在でも人気が衰えない理由の1つは、あの物語の中では善と悪という二項対立が否定され、それぞれの登場人物が自分のもつ強さと弱さを見つめ、悩みながら成長していくからではないかと思うのです。
なぜ二項対立の話をしたかというと、近年、自分の興味あることは探求していくけれど、他人の関わることには関心を示さない人、どれか1つの立場をとって残りを簡単に排除しまう人、自分の考えや好み以外を全て否定してしまう人が多いと感じているからです。例えば、理系科目が得意な人が文学や文化芸術に興味を示さなかったり、文系科目が得意な人が自然や宇宙、数学のもつ美しさに興味を示さなかったりします。これはとてももったいないことです。自らが学び、心を豊かにする機会を手放しているわけです。
これから大学で学ぼうとしている皆さん、そして既に大学で学び始めている皆さんには、自分の興味あることを探求する姿勢をもちつつも、偏見をもたず、より多くのことに興味をもち、柔軟な頭と心を養っていただきたいなと思う今日この頃です。
2010年9月21日 (火) 投稿者: CSスタッフグループ1
湘南の風です。東京工科大学CS学部の教員です。
前回に続いて英語の学習に関連する内容です。
英語の学習には「英語の辞書」が必要だ、ということは誰でも認めることでしょう。
しかし「英語の辞書」と一口に言っても、英和辞典、和英辞典、そして英英辞典、さらには熟語や慣用表現についての辞典もあります。みなさんが英の語学習で一番使う頻度が高いのは、英和事典でしょうね。
ところで余談ですが、同じ「じてん」と発音するものの中に、「辞典」、「事典」そして「字典」と三種類あるのをご存知ですか。
「事典」は、いろいろな分野、またはある特定の分野の事項についての説明を載せているもの、英語では‘encyclop(a)edia’といいますが、例えば百科事典や音楽事典などです。
そして「辞典」とはある言語の言葉についての説明を載せているもので、英語では‘dictionary’ですね。なお、同じ言葉について扱っていても、漢字のみを扱っているものは「字典」と言うことがあります。
さて話を元に戻して英語の辞典についてですが、あなたは「紙」派ですか、それとも「(携帯版)電子辞書」派ですか。
携帯版電子辞書は軽くて、しかも小さな機械の中にほかにもたくさんの辞典や事典が入っていて、まさに「携帯版」の名にふさわしく、持ち運びに便利ですよね。おまけにいろいろな機能が付いていて、<使いこなすことができれば>とても便利です。
しかし、「紙の辞典」も家では使ってみてください。できれば教室でも使ってみてください。
電子辞書を使い慣れた人は、最初戸惑ったり使いにくかったりするかもしれませんが、例えば英和辞典を例に取れば、目指す単語のページを開くと、単語のスペル、発音、品詞、変化形、見出しの単語の意味とその用例、そしてさらに、見出しの単語が使われた熟語と慣用表現とその意味と用例が、一度に目に入ります。ですから、何度も見直したり、いろいろな意味とその用法をその場で比較したりすることもできます。
ここでは詳しいことはこれ以上触れませんが、石原真弓『英語ができる人の辞書の使い方』(成美堂出 2009年 本体価格850円)などの辞書の使い方について書かれた本を読んでみて下さい。
最後に、辞書を使うときに必ず目を通して欲しいところがあります。それは、どの辞書にも一番始めに載っている、その辞書の使い方について書かれたページです。あなたは読みましたか。意外と読んでいる人は少ないのです。
湘南の風
2010年7月29日 (木) 投稿者: CSスタッフグループ1
青ばらです。東京工科大学CS学部教員です。
4月下旬に1週間ほど、ACES2010という国際会議でフィンランドのタンペレというところへ行ってきました。火山が噴火して欧州行の飛行機が飛ばず、行けるかどうか心配しましたが、再開3日目のフィンランド航空に乗って9時間でヘルシンキにつきました。タンペレは、ヘルシンキから列車で北西へ2時間ほどのところで有名なノキアの東にある町です。冬が寒い国なので、学会会場は温室のような建物でした。
タンペレは湖間の落差を利用して水力発電をしています。そのエネルギーをもとに工業が発達しているフィンランド第2の都市です。
デパートでは、ケーキ皿とコーヒー皿が一体になったコーヒーカップが売っていました。学会会場でもコーヒーブレークの時間に同じようなコーヒー皿が出ました。これは人と話しながら立ってお茶を飲むときに片手があくのでとっても便利でした。
学会の最終日は、タンペレ工科大学の見学がありました。これは簡易電波暗室です。両側にふたをしてアンテナを測定するのですが、電波が漏れそうで、日本では許可にならないだろうなと思いました。
RF IDのアンテナを作成している研究室の見学です。さすがファブリックを売りにする国だけあって研究室のカーテンも椅子もおしゃれでした。
青ばら
2010年6月25日 (金) 投稿者: CSスタッフグループ1
東京工科大学の「基本理念」にも現れている「実学」についてお話しましょう。
日本で最初にこの言葉を唱えたのは福沢諭吉であると言われています。福沢は、「実際に役に立つ学問」と言う単純な意味に誤解されぬように、「実学」の文字の脇に「サウヤンス」とルビをふりました。これは第一には「科学(サイエンス)」のことですが、そこには「虚」ではない学問という意味が込められており、また日常の役に立つ学問、社会で実践される学問、などの意味も含んでいます。
「役に立つことを主眼に置く学問」が実学と見なされることが多く、今日その意味でも流通していますが、福澤は、新しい事物や事柄の表層だけをなぞって実際的な利便だけを追求する学問については、特に語学、工学の勉学における失敗例を挙げながら、こうしたものを軽薄な虚学として退けたのです。
すなわち、「実学とは自然科学のみならず、社会・人文科学をふくめた実証科学のことであり、事物の真の姿は実証的な学問を通じて分かるという意味です。福澤の実学の精神とは、実証科学に基づいて理解される真理を謙虚に学んで、問題を解決しようとする姿勢といえます(清家慶應義塾大学塾長)。」
「自ら問題を見つけ、その問題を説明しうる仮説を作り、その仮説をきちんと検証し、結論を導くということ。そしてその実証された結論に基づいて問題を解決していくこと。これが実学の精神であり、これこそ、今日の大学院生にとりわけ強く求められていることに他なりません(清家慶應義塾大学塾長)。」
東京工科大学コンピュータサイエンス学部における教育も、この「実学の精神」に基づいています。特に、3年生の後期から少人数で行う研究は、「創成課題」「研究課題Ⅰ」「研究課題Ⅱ」と名づけられ、自ら課題を発掘することから始められます。そして自らその課題を解決する方法を考え、実験やプログラミングによって検証します。単なる知識の取得に終わらず、物事の本質や理念や仕組みを理解した上で、知識を体得できるという特徴があり、社会に出てからも大いに役立つ科目といえるでしょう。
CS学部 CH.
2010年6月17日 (木) 投稿者: CSスタッフグループ1
こんにちは。東京工科大学CS学部の教員@ロボット制御研究室です。
鉄腕アトムって、皆さん知っていますよね。私もアトムを作りたくてこの道に入った一人です。でも、なかなかアトムを作るところまでは至っていません。ロボットを勉強しようと大学に入ったら、ロボットの基本の制御工学という分野にはまってしまいました。たとえば、部屋のなかで、暑かったらエアコンの温度を下げて、寒かったら上げて、自分が快適と思う温度に調節しますね。これをフィードバック制御といいますが、なかなか思い通りになってくれません。
ロボットの腕や足などの関節には1つずつモータが入っています。皆さんの持っている携帯電話にもモータが入っていることを知っていますか? バイブレーションモードとかにしているときに、着信すると携帯電話がブルブルと揺れますよね。あれは、中に入っている小さなモータが回るからです。モータは電池をつなぐと回ります。はずすととまります。でも、希望したところ、例えば腕を90度曲げたところで止めようとしても、簡単にはとまりません。「車は急に止まれない」というように、モータも急には止まりません。ここで活躍するのが「フィードバック制御」です。
写真は、おもちゃのモータを用いたロボット、私はアームロボットと呼んでいます。ちなみにスペースシャトルで活躍しているのは、ロボットアームですね。研究室の学生さんが制御を勉強するためにつくって、コンピュータから動かしています。小さな箱(オレンジ色)を3台のロボットの腕が正確な位置に止めて、次のロボットに順番に渡しています。このような簡単なものを思うように操れると、だんだん複雑なもの、たとえばホンダの2足歩行ロボットのアシモやトヨタのパー^トナーロボット(上海万博ではバイオリンを弾いているそうです)などが動かせるようになります。
いつかは、鉄腕アトムもできるかな?
(研究打ち合わせのために移動中の新幹線の中で書いています。)
2010年6月11日 (金) 投稿者: CSスタッフグループ1
こんには、pukutaです。東京工科大学の教員です。
今日は、私が携わっている研究の関連で、お茶(緑茶)について話させてください。数年にわたって研究室の学生に聞いてみて意外に思ったことは、お茶は若者に地道な人気があるようです。品種にコダワリを持つところまではいかないまでも、お茶は幅広い年齢に親しまれていることを実感しています。私はニオイの研究をしていて、お茶の香りで品種や劣化状態を判断できるセンサの開発に、その一環として取組んでいます。ニオイは様々な気体分子で構成されていますが、その分子の情報を総合的とらえて、人に分かりやすく表現して、生活に利用できるようにする研究を進めています。
茶の木は中国の南部からインド北部にかけての南アジアが原産地とされている、ツバキ科の木です。茶畑の木をみると、ツバキと確かに似ている印象を受けます。茶の木には緑茶に適した中国種・日本種と紅茶にむいたアッサム種とに大別されます。同じ品種であっても、土壌や気候によって生茶(摘み取ったばかりの未加工の葉)の品質は異なり、さらに加工する方法によって製茶された茶葉は千差万別です。
皆さんは、生茶の加工法によって緑茶、紅茶、ウーロン茶などの代表的な茶葉に区別されることをご存知でしょうか。茶の葉には葉緑素を主体とした自分自身を酸化・分解する酵素が備わっていて、この酵素は葉を摘み取った直後から活動して、発酵が始まります。この発酵による変化は、生茶が褐色に変色する様に現れ、発酵させる程度により、緑茶、ウーロン茶、紅茶などと区別されます。緑茶の製造は、摘み取った生茶を蒸気で蒸したり、釜炒りしたりなどの熱処理をかけて酵素を変性させ、その活性を失わせます。すなわち、生茶の分解を抑えて、葉の成分をなるべくそのまま保った状態で製茶しています。すなわち発酵させていないので、緑茶は非(無)発酵茶とよばれます。ちなみに、世界全体の生産は紅茶が圧倒的に多く、ほとんど緑茶のみを生産している日本は特異な存在です。
左から緑茶・紅茶・ウーロン茶です。紅茶はウーロン茶に比べてに葉が小さいですね。茶の木自体、紅茶に適したインド系のアッサム種は、中国種との違いが茶葉の形状からも分かります。
一方、紅茶は熱処理をかけずに、酵素の働きを温存させて生葉を十分に発酵させています。よって、発酵茶とよばれ、発酵の過程で新たな香り成分が生まれてきます。ウーロン茶は発酵途中で熱処理を加えて発酵を中止させたもので、中間状態の半発酵茶とよばれます。プアール茶など、独特の花様の香りがする茶がありますが、発酵の過程で花の香りの成分が生まれるもので、花を混ぜた(加えた)ものではありません。これは、酵素による発酵を終えた後に、コウジ菌を加えて新たに発酵を再開させたもので、後発酵茶とも呼ばれています。微生物に発酵させて、花の香りが生まれるのは大変不思議ですね。香り付け(付香)のために混ぜものをする加工方法もあります。花茶とよばれる、ジャスミン茶や桂花茶などがこれです。この場合、茶葉自体は低品質のものを使うことが多いようです。
飲茶のルーツとされる中国では、古来より多様な加工(発酵)方法が存在します。茶を色で大別する方法では、緑・白・黄・青・黒・紅とカラフルで、奥深さがうかがえます。乱暴な言い方をすると、中国茶=ウーロン茶と捉えてしまいがちですが、茶木の品種と発酵方法の組み合わせで、数百ともいわれる茶の種類があるようです。以前、私は神戸で中国茶の専門店に入った時、その種類の多さと価格の幅の広さに驚いたことがあります。中国では、日本の蒸すのとは異なり釜入り加熱で発酵を止めるのが主流のようでが、日本と同様に緑茶での消費が一番多いようです。また、珍しいものでは、磚茶(たんちゃ) とよばれるものがあります。これは茶葉を湿らせてから押し固め、磚の文字の意味のごとくカワラのように圧縮整形して運搬に適したものにしています。これらは、中国の辺境部のチベットやモンゴル、ロシア方面に送られ、野菜不足から欠乏しがちなビタミン類の供給源としてそこに暮らす人々には無くてはならぬものになっています。辺境部からは優良な馬が産物として茶と交換され、その交易路は「茶馬古道」としてドキュメンタリー番組としても紹介されました。ご覧になった方もいらっしゃるでしょう。
茶は、「煮る」、「淹(だ)す(湯に漬けて溶かしだす)」などで、飲用する方法が一般的です。茶に加える添加物としては、塩、砂糖、乳製品(バター、ミルク)が用いられることがあります。さらに、穀物を加える場合もあります。日本では何も加えないで、淹(だ)したままでいただくことが一般的ですが、お茶に小粒の「アラレ」を加えたりすることがあります。また、茶粥や茶漬けも考えようによっては茶の楽しみ方の一つの形態でしょうか。これは言い過ぎのように思えますが。
近年、お茶の効用が多面的に明らかにされてきました。ガンに代表される成人病の原因となる活性酸素を除去する効果、高血圧や高コレステロールを改善する効果など、その他にも優れた生理作用が報告されています。また、その香りの癒し効果や消臭効果なども確認されており、飲み物以外に様々な商品が出ています。スウィーツやソバなど様々な食品に加えられたりしていますね。また、芳香や消臭の効果を期待して、まくら、シーツ、ハンカチ、石鹸、シャンプーなどに加えられて、肌身に迫る勢いです。ちなみに、飲料品の中で、茶類は一番の消費を誇っています。
さて、私たちが開発したニオイセンサは水晶振動子というものをベースとしたものです。ガラスと同じ成分でできている水晶の薄い円板は電圧をかけると一定の頻度で振動し、そのペースは振動数という量で表されます。この振動数は水晶の質量の変化により比例的に変化します。この振動数の変化量を測ることで、水晶にかかる質量の変化を知り、微小な質量を量ることができます。私たちの使っているものでは、1Hz(1ヘルツ、1回/秒)の振動数変化が、1ng(1ナノグラム, 10-9g)の質量変化に相当します。この水晶円板そのままでは、ガス分子を吸着する力が極めて弱いので、強力なガス吸着力を有するセンサ膜を表面に薄くコーティングしています。プラズマとよばれる放電ガスを生体材料に作用させることで炭化させて強力なガス感応膜の作製法を独自に開発しました。この感応膜のおかげで、人でも分からないような微弱なニオイを測ることができるようになりました。性質の異なった8種類の感応膜を別々の水晶にコーティングしたものを集めて、測定容器内にセットしてセンサ軍団をつくります。ここにニオイを送り込んで測定します。
左は水晶円板(直径約1cm)に感応膜をコーティングした2種類のニオイセンサ(直径約1cm,中央部の金色の部分は金電極)、右は8種類の異なったセンサを組み込んだセンサセットです。
8種類の全てのセンサからの応答をパソコンで統計処理してニオイの地図を作ります。8種類の全てのセンサからの情報を統合して1つのニオイを地図上の1点に示すようにします。複数のセンサの力を合わせてニオイ地図を作り、この地図を読み解くことでニオイの特性を理解したり、ニオイを分類したりできるようになります。
少し具体的にその方法をお話します。センサからの信号波形を強度や幅を用いて数値化し、ニオイ情報を数字に変換します。この操作はセンサ応答からの特徴量の抽出とよばれ、数値化することで数学的なデータ処理が可能になります。一つのセンサ波形を表す特徴量は複数(n個)あることもあり、センサが8種類でセンサセットが構成されているので、8n個の数値で一つのニオイを表現することになります。難しい表現をすると、8n次元の空間の中の一点として、ある測定したニオイがプロットされることになります。3次元空間より次元が大きいと、私たちはそれを見ても認識できません。そこで、高次元空間のプロットを2次元平面へと次元を下げて表す処理をパソコンで行います。これは2次元平面への投影とみなすことができ、主成分分析とよばれる処理方法で実現可能です。次元を下げて(集約して)投影させるため、全ての情報が映し出されるわけではありません。一部の情報は失われてしまします。この情報の損失を最小限に止めることは、投影プロットが最大限にバラツイテいる二次元平面を探し出すことに相当します。バラツキが最大になる平面が示されるので、我々には各プロット間の区別が容易になります。すなわち、この二次元平面はニオイを区別しやすいようにした地図とみなすことができるのです。この地図をもとに、ニオイ間の相似性を調べたり、未知のニオイをこの地図上にマップして、どのニオイに近いのかを判断することも可能になります。私たちの開発した装置で作成した茶葉のニオイ地図を下に示します。
センサからの情報に基づいて作成した茶葉のニオイ地図です。人の嗅覚アンケートではグリーン調が上に行くほど強い印象となる傾向がありました。
y軸は情報量が最多の投影軸で、全情報量の75%を含んでおり、第一主成分とよばれます。また、y軸と直交して2次元マップを構成するx軸は第二主成分とよばれ、この場合は情報量15%でした。主成分分析から得られた縦軸や横軸に関して単位はありません。地形図ではキロメートルなどの単位はありますが、この場合に類似性を距離感でとらえ下さい。また、ここでは同一サンプルを3回測定したものの重心点の1点で、そのサンプルの位置を表しています。点線で囲んだ楕円は、サンプルが分布する領域を示しています。
この地図からまず言えることは、半発酵茶のウーロン茶や発酵茶の紅茶(リプトン)と、非発酵茶の緑茶群は領域分けができています。人の嗅覚では紅茶と緑茶のほうが近いのですが、このセンサによるニオイ地図では、紅茶と近い場所に位置する緑茶が複数種認められます。
情報量の多い第一主成分で、緑茶グループを見てみます。「べにふうき」は花の香りの印象もある発酵茶用に開発された品種で、紅茶と近い場所に位置します。逆に、y軸で上のほうにある「藤枝かおり」や「香駿(こうしゅん」は、さわやかな青葉の香り(グリーン調)が強い品種です。研究室の学生に茶葉を嗅いでもらってアンケート調査をしました。すると、グリーン調の印象がy軸で上に行くほど強く、逆に下に行くほどフローラル調が強い結果となりました。このように、ニオイセンサで作成したマップからは、人の嗅覚を反映した傾向が得られており、センサの有効性を確認できました。ウーロン茶は紅茶より、y軸の上に位置しており、グリーン調が強いことも示されました。
これらの結果は、人の嗅覚と関連づけて考察をくわえたものであり、今後検出のメカニズムを分子レベルで解明していく必要があります。また、茶葉の劣化をニオイの変化で把握する研究も、このニオイセンサを用いて取り組んでいます。室内で茶葉を放置した場合、冬は夏に比べて劣化の速度が半分程度という結果が得られています。ニオイの情報は分子の情報に還元できますが、分子の種類とその数の組み合わせで定められますので、10の何乗というものすごい量を考えなくてはなりません。それを各成分に分けないで、総合的に「○○のニオイ」として認識する動物(人を含めて)の嗅覚はスゴイと、この研究を通して常々感心しています。
pukuta でした。
2010年4月 8日 (木) 投稿者: CSスタッフ
現代社会はますます多様化し、コンピュータサイエンス学部に対する
社会的要請はますます多様化・高度化しています。
このような状況であるからこそ、
大学における教育も洗練され工夫されたもの
でなければなりません。
東京工科大学コンピュータサイエンス学部ではこのような
世の中の流れに柔軟に対応するために、
さまざまな教育点検・教育改革を常日頃から行っています。
毎年定期的に行われているFD(Faculty Development)、
昨年度から開始された教員相互の授業点検、
さらには授業カリキュラムの総点検などなど、
学部を上げてより良い教育の実践を目指しています。
その活動・成果の1つが学会により認められました。
先日開催された情報システム教育コンテストISECON2009 (情報処理学会主催)で
中村先生らのグループが見事1次予選を通過し、本大会で技術賞を受賞しました。
このコンテストの参加者の多くは、企業研修担当者あるいは
高専の先生方で、中村先生らのように大学関係者・学術関係者がこのような
教育の改善活動に、理論的な側面だけではなく実践面でも深くかかわっている
ことはやはり素晴らしいことだと思います。
左から順に、高島助教、中村教授、亀田教授、丸山さん(大学院生)
因みに、今回受賞した研究はオープンキャンパスでも来て見て体験することができます。
興味のある高校生の皆さん、オープンキャンパスに遊びに来てください。
もちろんこの研究をさらに大学院で発展させたいと思った大学生の方も
オープンキャンパスに来て見てください。
東京工科大学のホームページにオープンキャンパスのお知らせが出たときには、
是非“中村研究室”あるいは“タンジブルソフトウェア教育研究”という
言葉をチェックしてみてください。あなたの未来を変えるキーワードになるかも
知れませんから。
それでは、ご報告はここまでにして、来週の授業の準備をしましょう。
そうそう、論文の締め切りももうすぐなので、ブログは一旦ここで筆を置きましょう。
それでは、受験生のみなさんも頑張ってください。
文責 CS_BlogスタッフHK
2010年2月 2日 (火) 投稿者: CSスタッフ
CS学部の黒川です。
先日のセンター試験に続いて、いよいよ工科大も入学試験が始まります。
本学を受験する受験生のみなさんでこのブログを開いた人もいるかもしれません。
落ち着いてますか?
それともドキドキですか?
八王子と蒲田の会場では試験監督のほとんどは本学の教員です。
手順を間違えないようにドキドキしている先生もいると思います。
試験監督だった先生が将来の研究室のボスになってたりってのはあり得る話。
普段、試験監督の顔なんて気にしないと思いますが、よーく覚えておいてください。
後で面白いことがあるかもしれません。
試験当日、八王子の雪は残ってるかなぁ。
2009年12月 7日 (月) 投稿者: CSスタッフ_A
どうも。学内では数学を担当しているストラトです。
寒くなってきて、もうすぐ期末試験や受験シーズンですね。きっとこれを見ている皆さんは試験勉強に頭を悩ませていることでしょう。今日はそんな試験から離れて、ちょっと未来のことを想像してみませんか。
ではまず質問から。みなさんは、数学っていったい何の役に立つと思いますか?
例えば、本屋さんに行ったときに参考書コーナーからちょっと離れて、理工系の本が置いてあるところに行きましょう。本屋さんにもよりますが、数学の専門書が置いてあるところもあるでしょう。そこには皆さんが大学に入ってから学ぶ「微分積分」や「線型代数」の本があります。その他、「微分方程式」「代数学」「リーマン幾何学」「確率論」などいろいろなタイトルの本があるでしょう。その目次を見てください。きっと今は理解できない言葉たちが頁を埋め尽くしているでしょう。
その本たちの中に「微分方程式で数学モデルを作ろう」(日本評論社)があったら手に取ってその目次を是非見てください。そこには皆さんも知っている言葉が沢山並んでいます。ロケットの飛行、広告に対する売上げ反応、美術品の贋作、伝染病、軍備競争の力学、etc…
ちょっと意外な気がしませんか?実は、数学はいろいろなところに直接的に利用されています。携帯電話に使われているGPS、クレジットカードのセキュリティのための暗号、車のエアバッグ、保険の計算、証券や金融における予測。挙げたらきりがありません。
残念なことに高校の教科書にはこれらの応用は出てきません。でも、みなさんの未来には大学生の自分が待っていて、そこには上に出てきた応用例を理解するための学問やいろんなことを学んだり考えたりする時間が待っています。
いまの皆さんには学ぶことも想像することもいっぱいあるでしょう。そしていまの勉強や想像は未来につながっています。みなさんが漠然と考えていることが未来では重要なものとして実現することだってあるでしょう。その想像をなくさないようにしてください。
未来にこの大学に入学したらその実現ができるようにいっしょに学びましょう。では。
CS学部教員 ストラト
2009年12月 2日 (水) 投稿者: S.C.松下
はじめまして。
SAS先生です。東京工科大学CS学部の教員です。
ブログを書くのは初めてということで、かなり緊張して書き込んでいます。
12月1日師走の初日の今日、大変ラッキーなことがありました。
事業仕分けの犠牲にもならず、JSTのA-STEP(ハイリスク挑戦)へ
申請していました、「人間ドック、ホテル等での一次スクリーニング用の
光ファイバ型睡眠時無呼吸センサシステムの研究開発」に多額の助成金を
出して頂けることとなったのです。
SAS(睡眠時無呼吸症候群)という病気は、私のような中年太り(BMI:26)以外にも、
細身の高校生や、幼児でも発病するそうですよ。授業中に眠くなったり、
集中できない人は要注意です。柔らかいものを食するようになって顎の
退化した人類の宿命の病気だそうです。寝ているときに舌が気道を塞いで
呼吸が止まるのだそうで、早く見つけて早期に治療しないと突然死を招くとか。
光ファイバ型睡眠時無呼吸センサ(F-SASセンサ)はシーツの下に
光ファイバシートを敷くだけで、普段寝ている状態でこの病気を見つけて
あげるものです。世のため、人のためになる実用的な研究開発です。
明日からまた頑張るぞ!
これまでに開発したF-SASセンサの写真を紹介して、
初めての記念すべきブログに筆を置きます。
2009年11月18日 (水) 投稿者: CSスタッフグループ1
はじめまして。
湘南の風です。東京工科大学CS学部の教員です。
英語の試験を受けるときに、一番不安になるのが、英単語をどれだけ覚えているか、試験で知らない単語が出てきはしないか、ということだと思います。
そんな受験生の心理を察して、色々な単語・熟語集が出版されていますね。
それを1ページ目から覚えていくのも1つの方法ですが、単語は単独で使われるものではありません。前に来る動詞や形容詞、後ろに来る前置詞や副詞などと共に覚えることが大切ですし、何よりも文章の中で使われている意味と用法を覚えれば、覚えやすいし、英作文にも役立ちます。
英単語を覚えるコツが載っている本として、多賀敏行『外交官の「うな重方式」英語勉強法』(文春新書)を薦めます。
この本には英文法の知識がどんな風に役立つかについても興味深い事例と説明が述べられています。
通学の電車の中で読んでみては如何でしょうか。
2009年10月 5日 (月) 投稿者: CSBLOG_SI
こんにちは。数学の講義を担当している亀井です。
この文章を読んでいる人の多くは、数学はオカタイ学問で融通が利かない、というイメージを持っているのではないかと思います。しかし、そのイメージに反して、数学はとても自由な学問です。その証左の一つとして、言葉を自由に定義することが出来る、という点が挙げられます。数学においては、破綻が無いように定められているならば(これを「well-defined」と言います)、使う側が言葉を勝手に定義してしまって構わないのです。
「距離」という言葉について考えてみましょう。
今、A君とB君という二人の学生が居るとします。この二人の間の距離はどれくらいでしょうか。
A地点とB地点の間の距離では無くて、A君とB君の間の距離です。と言うと、少し戸惑うかもしれません。でも、みなさんも普段の会話で、M井先生やI野先生は気さくで近い感じなんだけど、K井先生はなんだか苦手で遠いんだよね、等と言っているのではないかと思います。その感覚を客観的に捉えるために、人と人の間の距離をきちんと定めてみましょう。
例えば、地図の上で二人が住んでいる家を結ぶ線分の長さを測って、それを二人の間の距離とすることにします(図1)。単に、住んでいる場所が近ければ、人と人との間の距離も近いだろう、ということです。確かに良く顔を合わせるお隣さんは、遠くに住む家族より身近な存在に感じますよね。
しかし、地図の上では近そうに見える二人の家の間には、実は険しい山があって、行き来するためには遠回りしないといけないかもしれません。そこで、お互いの家の間で、歩行可能な道路を歩いたときの最短経路の長さを二人の間の距離としてみましょう(図2)。こうすると、さっきより実用的になった感じがしますね。
あるいは、A君の家からB君の家へ、東京工科大学を経由して移動したときの最短経路の長さを距離とすることも出来ます(図3)。一見無意味に思えるかもしれませんが、郵便物や宅急便の集配システムを考えると、このような距離の定め方は有用であることがわかります。
でも、上の三つの定義は、人と人の間の距離を測ると言いつつ、結局、場所に関する情報を使っています。これではしっくり来ないかもしれません。お隣さんとは一度も話をしたことがないし、遠くに住む恋人とは毎日電話している。そんな状況で、お隣さんの方が恋人より距離が近いと言われても、納得しがたいと思います。
そこで、会話を交わしたことのある相手を繋いでいく、という方法で距離を測ることにしてみましょう(図4)。例えば、一度でも会話を交わしたことがある相手との距離を1とし、会話を交わしたことのある相手を繋いで行ったときの最短の長さを二人の距離とするのです。A君とC君、C君とB君はそれぞれ会話をしたことがあるけれど、A君とB君は直接会話をしたことが無いとき、A-C-Bという繋がりを見て、A君とB君の距離を2とする、ということです。ただし、繋がりが無い二人(図4のAとXなど)の距離は無限大とします。気になるあの子との距離が無限大だと、結構切ないですね。
さて、以上の四つは、どれが優れていてどれが劣っているということは無く、全て「距離の公理」を満たしているため、距離の定義として採用することができます。自分が考えたい問題で議論が上手く進むように、その時々で自由に定めれば良いのです。繰り返しになりますが、数学においては必要に応じて、適宜、言葉を自由に定めてしまって構わないのです。
主観は時に、人の思考を強く制限します。言葉をきちんと定義して客観性を持たせることで、初めて真に創造的な思考を展開することができる。数学は、そんな自由に溢れています。
キミと遠くの家族や恋人との距離が縮まりますように。気になるあの子との距離も縮まりますように。お隣さんとも仲良くなれますように。そして、数学が少しでも身近な存在になりますように。
CS学部教員 亀井 聡
2009年8月15日 (土) 投稿者: zzz...
「100年に一度と言われる不景気の中、驚異的な売り上げを記録している業種もある。それがテレビショッピング。人々は何気なくチャネルを回し、あっと言う間に財布の紐を緩めてしまう。しかし、光あるところに影あり、実際に手にとることのない買い物にはトラブルもある。この物語は、その暗闇に立ち向かうプロフェッショナル達のある夏の記録である。」という解説で始まるテレビ番組「コールセンターの恋人」、見てますか?
小泉孝太郎の好演もあって、評判はなかなかのようですね。この番組では、テレビショッピングを対象としたコールセンターを背景に、そこで起っている事件を掘り下げ、楽しく描いています。このコールセンターを導入している企業はテレビショッピングや通信販売に限りません。あらゆる企業がコールセンターを活用しているのです。警察の110番や電話番号案内の104番もそうですし、メーカーが売った製品について問い合わせや修理依頼を受け付けたり、選挙の事前意向調査や自動車事故の保険相談センターなどいろいろです。
どのコールセンターでも悩みは同じ。かかってくる電話の量が一定しないこと、そして商品やサービスについて正しい知識をもち、ちゃんと電話応対ができる人を確保することです。みなさんもコールセンターに電話してもいつも話中か「しばらくお待ちください」のアナウンスばっかりだったり、相談してもまともな答えを得られなかった経験があることでしょう。実は、電話量の閑繁の波に合わせ、優秀な従業員を配置できれば解決なのですが、現実にはなかなか難しいのです。
コンピュータサイエンス学部では、このようなコールセンターの問題を解決するための研究を進めています。そのひとつが「コールセンターのオペレータ要員の配置法」です。学会の論文誌や国際会議で発表しただけでなく、実際のコールセンター業務に支援できる計算プログラムとしてホームページに公開したところ、毎日40~50件のアクセスを得ています。更なる難題に挑戦してゆくつもりですが、“恋人”にまで行き着くかどうかは分かりません。
(CS教員 菱沼)