国際会議The 13th International Conference on Ubiquitous Information Management and Communication (IMCOM 2019)がタイのプーケットで2019年1月4~6日に開催され、
東京工科大学の学生も発表を行いました。
コンピュータサイエンス学部から学部4年生が2名、コンピュータサイエンス専攻から大学院生2名が発表しています。
IMCOMは、主にアジアの大学や研究機関が参加する会議で、主催は韓国のSungkyunkwan University(成均館大学校)とUniversiti Kuala Lumpur(クアラルンプール大学)です。
日本からは、慶應義塾大学、名古屋大学、九州大学、お茶の水女子大学などが発表を行っていました。もちろん、東京工科大学も発表しました。
会場は、Novotel Phuket Resort Patong Beachでした。パトンビーチの前に建つ大きなホテルです。
会場になっているノボテルには、国際会議の会場であることを示す「IMCOM 2019」という表示があちらこちらにありました。
表示には、馬のマークに「Springer」と書かれていますが、IMCOM 2019の論文は、学術、教育の分野で世界的に有名なドイツの出版社であるシュプリンガーから出版されます。
東京工科大学の学生の論文も、すべてシュプリンガーの論文になります。
初日は午前9時からセッションが始まりますので、午前8時頃にはレジストレーション(受付)が開始されます。
レジストレーションの様子です。参加登録者の名札がアルファベット順に分けられていて、速やかにレジストレーションが行われました。
午前9時に始まるセッションのタイムテーブルも張ってありました。
会場の外には大きな横断幕もありました。
発表会場は2部屋あり、メインのOral Presentation(口頭発表)が行われる大きな部屋と、半分くらいの大きさの部屋がありました。
まず、Siam Aという部屋を使った小さな発表会場から紹介します。
小さい部屋とは言え、それなりの人数が聴講可能でとても立派な会場です。セッション開始前でしたので準備中でした。
ここで発表するのかと思うと、とても緊張します。
次に、Siam BとSiam Cという2つの部屋を合体させた大きな発表会場を紹介します。
ここで発表するのかと思うと、緊張で手が震えるほどの立派さです。
大学の教室で行う、学内の発表会とは雰囲気がまったく違います。
発表の冒頭には、Session Chair(座長)からセッションの紹介と発表者の紹介があります。
会議のOpening Remarks(開会式)です。
まだ、開始前ですので会場に人はまばらです。
冒頭は、この会議を支えているSungkyunkwan UniversityのHyunseung Choo(秋顯丞)教授の挨拶です。
続いて、会議のGeneral Chairである2名から挨拶がありました。
Sungkyunkwan UniversityのSukhan Lee教授とUniversiti Kuala LumpurのRoslan Ismail教授です。
慶應義塾大学の湘南藤沢キャンパスから清木康教授の講演もありました。
Vietnam National University(ベトナム国立大学)の講演もありました。Minh-Triet Tran博士による、日々の行動記録に関する話です。
東京工科大学の学生も発表を行いました。
コンピュータサイエンス専攻修士課程2年の白石将貴君がDetection of Suspicisous Person with Kinect by Action Coodinateというタイトルで発表を行いました。
白石君の研究は、ピッキングをしている不審者をKinectを使って見分けるというものです。
普通に鍵を開ける動作とピッキングという、ほとんど動きに違いがない行動を、畳み込みニューラルネットワークを使った深層学習によって分類しています。
コンピュータサイエンス学部4年の保科琴音さんは、Evaluation of Security and Usability of Individual Identification Using Image Preferenceという研究発表を行いました。
パスワードよりも簡単に覚えられる画像を使って本人確認を行うしくみのひとつですが、そこに利用者の好みを組み合わせることで、覚えやすく破られにくい方法を提案しています。
コンピュータサイエンス専攻修士課程1年の古屋俊貴君は、Personal Identification by Human Motion Using Smartphoneという発表を行いました。
古屋君の研究では、スマートフォンをペンの代わりにし、大きく腕を動かして空中に図形を描きます。
それを畳み込みニューラルネットワークを使って分類することで、同じ図形を描いても個人を区別できるというものです。
ポスター発表はこのような感じで行われました。
聴講者は、発表時間内であれば興味のあるポスターの説明を聞いたり、発表者に自由に質問したりできます。
人気のポスターには非常に多くの人が集まっていました。
コンピュータサイエンス学部4年の鈴木友哉君は、Classifying License Plate Numerals Using CNNというポスター発表を行いました。
畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を使って自動車のナンバープレートを識別する研究です。
人工知能に用いられている深層学習の驚くべき点は、人間が読めないような非常に解像度の低い数字を、人工知能はほぼ100%の精度で識別できることです。
発表時間中は非常に多くの聴講者が集まり、長時間質問をしていました。もちろん、質問も回答もすべて英語です。
マレーシアの研究者から、ナンバープレートのフォントについての質問があり、日本ではナンバープレートのフォントは1種類しかないと答えたところ、マレーシアでは多くのフォントが使われていると驚いていました。
国際会議に参加する魅力のひとつに、著名な研究者によるKeynote Speech(基調講演)があります。
アメリカのNew Jersey Institute of Technology(ニュージャージー工科大学)から来たFranc Biocca博士の基調講演は興味深いものでした。
Mobile Augumented Realityに関する話で、仮想現実の最先端について様々な技術の紹介がありました。
講演の冒頭から、スクリーンの背景がすでに仮想現実になっていました。
研究レベルでは驚愕の世界が実現していて、早く一般生活にも取り入れられることが期待されます。
Coffee Break(休憩)の様子です。
参加者はコーヒーを飲んだりフルーツを食べたりしながら、他の研究者と歓談します。
海外の有名な研究者と名刺交換をして知り合いになる絶好の機会です。
会議初日の夜には、Welcome Receptionがありました。
国際会議では、このような催しを通してその土地の文化や伝統を学びます。
また、この催しの中で海外の研究者と交流する機会も生まれます。
会議2日目の夜にはConference Banquet(晩餐会)が開かれました。
ここでは、Best Paper Award(最優秀論文賞)の発表や、功労賞の授賞式などが行われました。
プーケットから帰国する際、プーケット国際空港の通路から海に沈む夕日が見えました。
東京工科大学では、コンピュータサイエンス専攻の大学院生だけでなくコンピュータサイエンス学部の学部生も国際会議で発表を行っています。
論文の執筆も発表もすべて英語です。もちろん他国の研究者との交流もすべて英語になります。
コンピュータサイエンス学部は世界で活躍できる学生を育てています。