東京工科大学 コンピュータサイエンス学部 BLOG

東京工科大学
  • ネットワーク処理道場の活動内容を紹介します

戦略的教育プログラム

コンピュータサイエンス学部は、学生による様々な学会での発表をはじめ、オープンソースによる学修・研究成果の公開、さらには在学中の起業まで、多彩なチャレンジを体系的にサポートする環境と教育を提供し、意欲ある学生の可能性と能力を伸ばしています。

たとえば最近では、ICT関連の大規模な国際展示会への出展や、オープンソースの世界的会議におけるパネリストとしての登壇など、業界も注目する大舞台で本学学生が活躍しています。 そのほか数多くの学会での表彰や受賞など、視野とフットワークを学外に広げた本学学生の挑戦から、多くの成果が生まれています。

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現代社会を支えるICT関連技術の中でも、今後ますます重要性が高まるAI(人工知能)、医療IoT、セキュリティといった先端分野の研究に積極的に挑戦しています。

たとえばAI関連では、ディープラーニング(深層学習)の技術を用いることで「安全な出産」をサポートする手法の開発研究を推進しています。

また、医療IoT分野では、本学の応用生物学部や医療保健学部と共同で、障がい者向けのパソコン操作補助システムの開発や、医療からスポーツ、楽器演奏まで幅広く活用できる超小型モーションキャプチャーシステムの開発など、実用化が楽しみな多彩な研究が進行中です。

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ネットワーク処理道場の活動内容を紹介します

2023年3月11日 (土) 投稿者: CSスタッフ

ネットワーク処理道場では,主にネットワークに関する幅広いトピックを,内容ごとにチームに分かれて取り組んでいます.本道場では様々な取り組みを行っていますが,その中で一部の取り組みを紹介します.

1. 仮想化技術の取り組み(西村克己,平野 達也)

私たちのチームは前半と後半に分けて2つのことを行いました.1つ目は,仮想ルータの構築を行いました.そしてもう一つは,コンテナ技術に関する管理と,より多様な処理を実現する環境構築です.

まずは仮想ルータについてですが,ルータは異なるネットワーク間の中継器のことです.これをパソコンの中で同じ機能を実装することを仮想ルータと呼び,通常のルータよりも通信速度を速くすることができます.また,コマンド上で設定することができるので,コマンドに慣れている人にとってはこちらの方が簡単にルーティングをすることができるそうです.実際にVMware vSphereの仮想環境を用いて構築しました.内部までのルーティングまではできましたが,外部へのルーティングに問題があり苦労しましたが,インターネットにおけるルーティングの流れを理解することができました.

2つ目は,Kubernetes(以後,k8s)を用いたArgoの実装を行いました.k8sは,Dockerのコンテナ上のアプリケーションを管理し,デプロイやスケーリングを自動化することができます.しかし,スケジューリングの処理を記述するために複雑なコードが必要です.そこでArgoを使うことで,k8sの複雑なバッチ処理を改善することができます.具体的な用途として大規模な処理である機械学習等に用いられています.私たちは,VMware vSphere,AWS(Amazon Web Service)の2つの環境でArgoを実装しました.VMware vSphereは,ポッド間の相互通信がうまくいかず,実装することができませんでした.AWSは,スムーズに構築することができ,プラウザのUI上で表示することが出来ました.これを通して,処理の分散,スケジューリングを学ぶことが出来ました.

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Kubernetesの構成

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Argoによるワークフロー処理例

2. コンテナ環境でのスケジューリングに関する取り組み(児玉光美,山本 竣也)

私達Kubernetesのスケジューリング班では,KubernetesとPython言語を用いて,自動スケジューリングによる負荷分散に挑戦しています.具体的には,Python言語を用いてノード一覧や各ノード名に対応するリソース情報,CPUの負荷情報を取得します.取得した情報を用い適宜最適な割り振りを行うようYAMLファイルを書き換え,それを元にスケジューリングを行います.これにより,空きの割合に基づく標準的なスケジューリングよりも,さらに柔軟で動的なスケジューリングの実装を目標として活動しています.

3. ECサイト構築/IPネットワーク(金光 駿弥,坂本 彩羽,筒井 友葵,松尾 実結)

こんにちは,ネットワーク道場の2年生の金光駿弥です.私はサークルとして,化粧品研究サークル(以下,LCC)に所属しておりますが,LCCが運営する化粧品販売ウェブサイト(以下,ECサイト)をリニューアルしたいという要望がありました.今までのECサイトはGoogle社が提供している「Forms」を使用して,オンライン販売を行っていました.新しいECサイトを開発するにあたり,費用がかからない,つまり,無料ですべてのリソースを準備しなければならない状況でした.本来,サイト構築・運営にはサーバが必要であり,オンプレミスかクラウドに設置する必要があります.しかし,オンプレミスやクラウド(Azure・GCP・AWS)は莫大なコストが掛かりやすいので,利用が出来ませんでした.そこで,無料のレンタルサーバである「Xfree」とウェブサイトを容易に作成できる「WordPress」を用いました.

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LCC通販サイトの一部

また,セキュリティを向上させるためにURLの先頭を「http~」から「https~」に変更しました.これを行うことによって,セキュリティの向上はもちろん,SEO(Search Engine Optimization,検索エンジン最適化)対策を施せます.

実際に「使えるもの」を開発するためには自分のみならず,LCCのメンバーと話し合う必要がありました.しかし,LCCのメンバーのほとんどは応用生物学部の学生のため,専門知識に関する共通認識を持たせることが大変でした.完成までに何回も試行錯誤してようやく納得してもらう結果になりました.その結果,リニューアル前のものと比較し,ユーザが視覚的に見やすい且つ操作しやすいECサイトになりました.

また,その他のWebシステムの開発も行いました.この場合,Webページを動的に表示を行うために,PHPを用いて作成しました.PHPはECサイトでも広く利用されており,会員情報の登録や削除・更新,商品を購入するシステムなどの機能を実装することができます.PHPの特徴として挙げられるのが,HTMLで記述しているファイルの中に埋め込んで使えることです.これにより,HTMLとPHPのファイルを1つにまとめられ便利です.埋め込む際は,下図のようにマークアップすることで可能になります.

また,PHPと共にWebページ作成の際によく使われるJavaScriptという言語があります.PHPがサーバーサイドの言語であるのに対し,JavaScriptはクライアントサイドの言語と言われています.PHPの処理はWebサーバ側で行われるのに対して,JavaScriptの処理はWebページを参照するユーザー側のブラウザで行われます.そのため,PHPはサーバ側にあるSQLなどのデータベースと連携することができます.

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さらに,JSP/ServletによってWebシステムの構築も行っています.JSP/Servletとは,簡単に言えばJavaでWebページを作成できるものです.通常は,HTMLと言われる言語でWebページを作成しますが,ECサイト(楽天市場やAmazon)などの個人に合ったWebページは動的に生成されているため,HTMLのみでは書ききれません.

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上の図は,JSP(Java Server Pages)ファイルです.ベースがHTMLで書かれていますが,14行目あたりから見てみると,Javaを用いて書かれています.このファイルはサーバ内でServlet(JavaベースにHTMLを追加したもの)に変換されます.最終的にクライアント側にはHTMLのファイルが送信され,Webページが表示されます.

その他,ネットワークの仕組みについてチーム内で教え合ったりしました.例えば,IPネットワークでのルーティングの仕組みや,CISCO Packet Tracerというネットワークシミュレータを使って,仮想的なネットワークを構築して通信の疎通確認を行いました.これらを通じて,現在のネットワークの仕組みの裏側を知ることができました.

4. IoTに関する取り組み(奥田 滉大,米満 麗旺乃,内野 彰紀)

様々な場所の状態を1つの地点からどのような状態であるか確認することができたら様々なことに利用することができそうですよね.それを実現するためにIoTの技術を利用することができ,それの簡易的なものをこの道場で触れました.複数の地点に小さなコンピュータとセンサを設置して,それらをネットワークで接続して情報を1つの地点に集めるということができます.データを収集する際,情報収集を行うコンピュータではパワーが足りないのに加え,状態を分かりやすく認識するために,情報を送る側と受け取る側の間に,情報を整理するコンピュータを追加して異常な数値のみを選別して送信するようにします.

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IoTにおけるセンシング情報の取得

実際にこの道場で行っていることは,簡易的にこれを再現するために複数ではなく1対1での通信をラズベリーパイとノートパソコンで行い,その間にジェットソンを利用して情報を整理するということを行っています.そこで送る情報は,ラズベリーパイにカメラを接続してその情報をノートパソコンに送るということをしています.その際にその写真にOpenCVという画像処理のできるものを利用して,人が写っているかを確認して顔の部分を四角く囲うという加工を行っています.

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今回構築したpub/sub通信の仕組み

最後に

他にも様々なメンバーが活動を行っています.例えば通信の高速化に関する技術調査や動作確認,ネットワークに関する資格対策等も検討しています.興味があれば,ぜひ参加してみてください.

Cloud Native Dojo と IoT Dojo の活動を紹介します

2023年1月21日 (土) 投稿者: CSスタッフ

はじめに

大学院コンピュータサイエンス専攻修士2年の小山智之です.この記事ではCloud Native DojoとIoT Dojoの活動について紹介します.Cloud Native DojoとIoT Dojoは,CS学部の2,3年生を対象としたプログラムです.Cloud Native Dojoはクラウドコンピューティングの分野で新たなソフトウェアの提案や開発を目指して活動しています.IoT Dojoはソフトウェア・ハードウェアのスキルを習得し実績にすることを目標としています.Cloud Native DojoとIoT Dojoは,2022年度前期(2022年5月から2022年9月)に週1,2回で活動を行いました.この活動はコンピュータサイエンス学部の戦略的教育プログラムに指定されています.

CS学部には他にもDojoがあります.その中でもこの2つのDojoの特徴は,どちらも講師は学部4年生や大学院生が担当していることです.他のDojoでは,主に先生方が講師を担当されています.Cloud Native DojoとIoT Dojoはいずれも先輩となる学生がTAを担当し,学生が中心で活動しています.以下の参加学生とTAで取り組みました.

  • Cloud Native Dojo
    • 参加学生:近藤 悠斗,内野 彰紀,田中 美帆,川端 ももの
    • TA:小山 智之(大学院コンピュータサイエンス専攻修士2年)
  • IoT Dojo
    • 参加学生:五十嵐 蓮,白石 藍丸,寺内 大空,鈴木 雅也,高崎 翔悟
    • TA:高木 優希(大学院コンピュータサイエンス専攻修士2年)

Cloud Native Dojoの活動

取り組む領域の選定,課題の設定,ソフトウェアの提案を参加している学生(2年生)とTA(大学院生,学部4年生)で取り組みました.ここではCloud Native Dojoの様子を紹介します.

Cloud Native Dojoでは,サーバの構築や運用の場面で直面する課題を探すことから始めました.課題がどんな場面で起きるのかユースケースシナリオをあわせて設定します.参加している学生は具体的なユースケースや課題の設定で苦労している様子でした.時折,TAから参加している学生へ質問を投げかけながら"どんな場面で,何が課題で,誰が困るのか"を整理していきました.今回はWordPressのインストールのためにコマンドラインでの操作が難しいことを課題としました.

課題を解決するための新たなソフトウェアのアイデアを考え,それをもとに実装を行います.今回は,コマンドラインでの操作が難しいことを解決するために,マウス操作で完結することを目指したWebアプリケーションを提案しました.課題をきちんとできるソフトウェアになるよう提案ソフトウェアについてTAからフィードバックを繰り返し行いました.

実際に提案したソフトウェアの開発では,チームで役割を分担して機能やデザインを作成していきました.Gitでのソースコードの管理方法に困る場面やWebアプリケーションの意図しない挙動に悩まされる場面も見受けられました.チームのメンバー同士での相談やTAからのアドバイスを受けながら,無事にソフトウェアは完成しました.以下は実際に学生が開発したWebアプリケーションのスクリーンショットです.アプリケーションをあらわす船を公開先のポートをあらわす島に近づけることでWordPressのサーバが公開できます.ソースコードはGitHubリポジトリで公開しました.

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成果発表

大学コンソーシアム八王子 学生発表会は,八王子市にキャンパスをおく大学や高専に所属する学生が成果を発表できるイベントです.

Cloud Native DojoとIoT Dojoに参加する学生が,活動成果を大学コンソーシアム八王子 学生発表会で発表しました.Cloud Native Dojoからはコンピュータサイエンス学部 2年生 4人が展示発表を行いました.IoT Dojoからはコンピュータサイエンス学部 3年生1人が口頭発表を,コンピュータサイエンス学部 2年生2人が展示発表を行いました.発表タイトルと発表者は以下です.

  • 五十嵐 蓮,白石 藍丸,寺内 大空,鈴木 雅也,高崎 翔悟,高木 優希,串田 高幸,"距離センサを用いた計測値のクラスタリングによる採寸誤差の削減", 第14回大学コンソーシアム八王子学生発表会, 3, 2022.
    • 口頭発表,IoT Dojo
  • 寺内 大空,鈴木 雅也,高崎 翔悟,五十嵐 蓮,白石 藍丸,高木 優希,串田 高幸,"距離センサーを用いた非接触かつ着衣状態の自動採寸",第14回大学コンソーシアム八王子学生発表会, 3, 2022.
    • 展示発表,IoT Dojo
  • 近藤 悠斗,内野 彰紀,田中 美帆,川端 ももの,小山 智之,串田 高幸,"ウェブインターフェースでのマウス操作によるサイト構築の簡略化",第14回大学コンソーシアム八王子学生発表会, 3, 2022.
    • 展示発表,Cloud Native Dojo

会場はJR八王子駅から徒歩3分の八王子オクトーレでした.

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Cloud Native Dojoの展示発表している様子です.2年生の近藤さんが実際に画面を操作しながら説明していました.

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Cloud Native Dojoの展示ブースの様子です.

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IoT Dojoの発表では,試着室でのセンサーを使った採寸の誤差削減方法を提案しています.IoT Dojoの口頭発表の様子です.3年生の五十嵐さんがスライドを使い発表しました.

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IoT Dojoの展示ブースの様子です.実際に試着室を会場に設置し,来場された方に採寸の誤差削減をデモしていました.

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学生の感想・アンケート結果

以下は参加した学生からの感想の抜粋です.ほとんどの学生が,伝えることの難しさやフィードバックをもらうことの大切さをあげていました.

  • 八王子コンソーシアムに参加してみて,自分たちの発表を相手に伝える困難さを感じました.相手に伝わっているはずだと感じていたものが実際には伝わっておらず,基本的な事を質問されたりしました.
  • 他の大学や専門学校の発表もどれも面白いものばかりで、世の中の様々な問題に対してその人独自のアプローチの仕方で解決を試みるという姿勢は今後の自分の研究テーマ決定の参考にもなり、とても有意義な時間が過ごせました。
  • 発表が苦手で緊張したが来た人にアプリの紹介ができた。貴重な経験ができて良かった。
  • 今回IoT Dojoの展示発表に参加して、デモの実装を行う上で理由付けの大切さを知ることが出来ました。今回の提案では、クラスタリングを用いたのですが、分類するデータの数を決める際や、更衣室の大きさを決めた理由まで1つ1つの理由を明確に定めることが大切であることを学ぶことが出来ました。
  • 違う分野の人の発表や意見から異なる見解を知ることが出来た。
  • 学校の授業ではインプットするものが多く、アウトプットすることがあまりなかったがCloud Native Dojoを通して今まで学んできたことをアウトプットすることができた。

以下のグラフは,参加した6人の学生に発表会を通じて向上したスキルを聞いた結果です.このグラフにある6つの観点は東京工科大学の定めるラーニング・アウトカムズ(学修到達目標)と対応しています.コミュニケーション能力と問題解決能力はアンケートに回答した全員の学生が向上したスキルだと回答しています.チームで協力して活動する経験からコミュニケーション能力が向上した要因かと思います.ユースケースや課題の設定,解決策の提案をする過程で問題解決力が培われたのではないかと思います.

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おわりに

先日,2021年度後期のCloud Native Dojoに参加した学生と話す機会がありました.その学生は,「Cloud Native Dojoで取り組んだ内容が就職活動の自己PRで役立った」と話していました.こうした技術的な課題を発見し解決する取り組みを主体的に取り組んだ経験は,就職活動でガクチカ(学生時代に最も力を入れたこと)としてアピールできると思います.TA側もDojoの活動を行う意義を改めて感じました.今後もこうした活動を通してやる気のある学生をサポートしていきたいと思います.

Cloud Native DojoおよびIoT Dojoの運営にあたり以下の方々にサポートを頂きました.どちらのDojoもサポートのおかげで無事に終えられました.ありがとうございました.

  • Cloud Native Dojo
    • 伊藤佳城さん(大学院コンピュータサイエンス専攻修士2年)
    • 富田啓太さん(コンピュータサイエンス学部4年)
  • IoT Dojo
    • 杉本一彦さん(大学院コンピュータサイエンス専攻修士2年)
    • 河竹純一さん(大学院コンピュータサイエンス専攻修士1年)
    • 梅田拓哉さん(コンピュータサイエンス学部4年)

多摩地域マイクロツーリズムプロジェクトで優秀賞を獲得しました!

2022年12月29日 (木) 投稿者: CSスタッフ

はじめに

こんにちは!サービスデザインシステム研究室(システム開発道場)の2年の安野裕貴です。私たちは細野准教授のもと同じく2年の阿部祐大、横井大将、金成斌の4人で「たまこねくしょん」というチームを結成し、多摩大学を初めとする産官学で企画・運営された多摩地域マイクロツーリズムプロジェクト(タマリズム)に参加しました。

現在はコロナ禍の長期化により、観光・宿泊業をはじめ地域経済が大きな影響を受けています。タマリズムプロジェクトではこのような多摩地域を活性化するために様々なアイデアを持った大学生が集まり事業化に向けて活動を行っています。私たちたまこねくしょんはコンピュータサイエンス学部で学んだ技術力を活かして地域経済の活性化のために活動を行っています。地元のお店や直売所、特産品の写真撮影やお散歩を楽しみながら地元を楽しめる農観連携アプリの開発や地元経済を活用できるようなビジネスプランの作成をしました。今回はプロジェクトが開始してからの1年間の経過についてお話したいと思います。

マッチング会

最初にマッチング会についてお話しします。2022年5月7日(土)にタマリズムコンテストの事前説明会がありました。事前説明会では、タマリズムプロジェクトの概要説明や昨年度の実施事例の紹介、最終審査会までの説明が行われました。事前説明会を終えてからは、6月11日(土)に開催されるタマリズムマッチング会に向けて、プレゼンテーション資料・動画を作成しました。

タマリズムマッチング会は、多摩市立複合文化施設(パルテノン多摩)で行われました。マッチング会では、多摩地域マイクロツーリズムコンテストに参加している学生チームと企業・自治体が交流を行いました。最初に5分以内でスピーチを行い、1時間のグループディスカッション形式で2回発表を行いました。実際にお仕事をされている企業の方々からのお話はとても興味深く、企画を考える上で重要な考え方、価値観などを教えていただきました。マッチング会の中で、サービスを考える上で必要な点は、「利益が出るか」「シナリオ作りができているか」であるとお話がありました。サービスであるため、利益を上げなければ続けることができません。シナリオ作りでは、顧客がサービスを利用する上で得る価値を明確にすることが重要です。サービスを利用した顧客がどのような状態になってほしいか、というサービスのゴールを決定することが重要であると教えていただきました。

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一次審査会

次に一次審査会(6/11)についてお話します。一次審査とは実際に審査員の前でプレゼンを行い、実現可能性や地域の経済の活性化に繋がるかなどを市役所や地元の企業の方に評価してもらいます。一次審査に参加したチームの中から10チーム程度が今後も最終審査会に向けて活動を続けることができます。

一次審査会に向けてプレゼン資料や動画を作成しました。マッチング会で学んだ利用するユーザーのユースケースや収益と価値の流れをCVCA(Customer Value Chain Analysis; 顧客価値連鎖分析)によるモデリングを行い完成しました。さらにアプリのイメージをもってもらうために、一次審査の資料作成ではFigmaというアプリの外観を作成できるツールを利用しました。アプリのUIの作成は使うユーザーが利用しやすく、機能を分かりやすくするためのデザインセンスが問われます。問題発生です!チームメンバーの中にはデザインに長けている人がいません。悪戦苦闘しながらも動くアプリが作れたときはチームメンバーで感動しました。一次審査の本番当日はとても緊張しながら挑みました。本番では普段の大学生活では会えないような多くの大人の前でプレゼンを行いました。待っている時間に対してこのプレゼンはたった10分間という短い時間であっという間に終わってしまいます。後日連絡が来ます。結果は... 一次審査突破です!!

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実証実験

次に実証実験についてお話します。実証実験では私たちが作成したサービスが実際に地元で利用してもらえるかどうかの検証やアプリの開発をしました。アプリの開発では画像投稿アプリを作成しました。①たまファーム、②グルメ、③たまさんぽ、④おみやげの4つのタグを事前に設定することでより地元愛をもってもらえるようにしたいと考えています。さらに今回の検証では稲城市観光課の藤間様にご協力して頂きました。ありがとうございました。10/30にいなぎ発信基地ペアテラスにて稲城市に住む住民にアンケートやアプリの体験会を行いました。いきなり初対面の人と話すのはとても緊張しました。

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プレゼン講習会

次にプレゼン講習会(11/20)についてお話しします。タマリズムの1企画として行われたプレゼン講習会では、最終審査会でのプレゼンに向けての話し方の講座やプレゼン資料の内容について講師の方からコツを教えていただきました。いままでの学校の授業とは全く異なる社会人向け講座を受けることができました。

大学コンソーシアム八王子学生発表会

次に「大学コンソーシアム八王子 学生発表会」(12/4)についてお話しします。大学コンソーシアム八王子とは八王子にある25の大学が集まり研究内容について発表を行う学生発表会です。私たちは今回のプロジェクトの活動内容をまとめて観光まちづくり提案セッションで発表を行いました。他大学の発表も拝聴しました。学生らしい発表や私たちの思いつかないような分野の発想も多くとても勉強になりました。また正式な場でプレゼンを行う練習になりました。なんと結果は最優秀賞を受賞しました!!

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最終審査会(ドラフト会議)

最後に最終審査会(12/17)についてお話しします。発表の3日前に集合して最後の練習を行いました。前日にメンバーの一人がコロナにかかったことが判明し、2人で練習をしました。大学に来られようになるまで1週間かかるので最終発表に全員で発表できなかったのがとても残念です。練習は15時から19時まで行いました。どれだけ練習しても緊張が緩むことはなかったです。練習の後、夕飯を食べに行きました。その時に優秀賞を取れたら良いねといった話をしました。

最終発表の舞台は東京たま未来メッセでした。発表したところはホームページによると天井高10m、2,400m²あるそうです。デカイ!!メンバーの一人がコロナで休んでしまったのが気がかりでした。私たちは3番目に発表しました。1番目の発表2番目の発表と近づくにつれて緊張感が高まってついに発表!となった時には心臓の音が多くの人に聞こえるくらいに鼓動が速まっていました。かなり緊張していたので、最初にマイクに音が入っていないことに気付かず話してしまいましたorz。しかしながら次の発表のメンバーが助けてくれたので発表は時間内に終えることが出来ました。他のグループの発表を聞いているとどれも完成度が高いものであり賞を取れるかどうか不安でありましたが、優秀賞をいただくことが出来ました!!やったぜ。

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これからの活動

最終審査会で行われたドラフト会議では「稲城市観光課」と「稲城市観光協会」にエントリして頂きました!! これからさらに企画を磨き、多摩地域の活性化に資するアプリの事業化を図っていきます。乞うご期待ください!!

あとがき

安野 裕貴

たまこねくしょんチーム、チームリーダーの安野裕貴です。今まで私はアプリを自分で開発することはありましたが自身で利用することがメインでした。しかし今回は自身が開発したアプリが世の中で利用されることを想定して考えるのはとても勉強になりました。さらに今回のプロジェクトでは社会人や沢山の人へ向けてプレゼンを行い、プレゼンをする良い経験になりました。これらは自身の力だけではなく助けてくれるチームメンバーやご教授頂いた細野准教授、実証実験にご協力頂いた藤間様ありがとうございました。

阿部 祐大

最初に声をかけてもらってから、こんなに大きな発表になるとは思わなかったです。今回の企画に参加して学ぶことも多かったのでこれからに生かして行きたいと思います。

金 成斌

他のチームの発表もいいものが多くあり、自分たちの発表内容で結果を残せるか不安でしたが、2つの発表で賞を取れたことが嬉しかったです。また、普段の授業では学べないようなことが多くあり、かなりいい経験ができたと思います。これからもこの経験を生かしていきたいと思います。

横井 大将

企業さんとの交流が多く、とても貴重な経験ができたと思います。チームで企画を考え、アプリの開発を行った経験を今後のチーム作業で活かしていきたいと考えています。今後は、技術的な知識・スキルを磨き上げ、チームに貢献することを目標に活動を行っていきたいと考えています。

アグレッシブな起業イベント『Startup Weekend』に参加しました!

2021年11月 7日 (日) 投稿者: CSスタッフ

はじめに

こんにちは、サービスシステムデザイン研究室の立石凌です。現在は、大学院のコンピュータサイエンス専攻、修士1年です。普段は、研究をしていたり、TA(ティーチング・アシスタント)として学生の演習を手助けしたりしています。

10/22に八王子オクトーレと東京工科大学で『Startup Weekend Tokyo Hachioji』という起業イベントが開催されました!八王子での開催は、2年ぶりの2回目の開催です。コロナの影響で対面での開催に時間がかかったみたいですが、無事に開催できて良かったです!このイベントは、『ルールがないのがルール』というとてもユニークなイベントです。このイベントは学生対象ではなく、社会人も参加したオープンイベントで、審査員も企業の方がされています。今回のStartup Weekendは、東京工科大学の学生たちが一般社会人の方々とチームを組んで、機能・プロダクトの開発、顧客開発と検証、学びに基づく改善など起業に必要な様々なプロセスを体験できるよう、コンピュータサイエンス学部の先生方が運営を支援しています。

僕は、第1回目の八王子で開催された時と、セブ島(フィリピン)の計2回参加したことがあります。今回は、参加者をサポートするオーガナイザーとして参加しました。

Startup Weekendとは?

Startup Weekendは2007年に米国コロラド州で最初に始まったイベントです。金曜の夜から日曜にかけての54時間で起業についてチームでチャレンジします。Startup Weekendでは、チームでの起業に必要なことを学ぶことができます。

Startup Weekendでは、下記の内容を体験することができます。

  • チームでの起業プロセス
  • アイデアの価値創造
  • 行動力

Startup Weekendでは、3日間でチームでの起業に取り組みます。とにかく考え込むより行動して、チームでアイデアを創造することが大切です!

スケジュール

  • 1日目:10/22(金)18:30〜20:30
  • 2日目:10/23(土)9:00〜20:00
  • 3日目:10/24(日)9:00〜19:00

プログラムの内容

1日目:

  1. 参加者が会場に集合して、交流会をします
  2. ビジネスアイディアがある人は参加者の前で1分間ピッチ(※ピッチとは、短時間で魅力を分かりやすく伝えることです)
  3. 投票が行われ、投票数上位のアイディアを選出
  4. チームを作ります

2日目:

  • ビジネスアイディアのブラッシュアップ、プロトタイプ作りを行います
  • コーチからのアドバイスを受けます

3日目:

  • 最終プレゼンを行います

発表内容まとめ

発表チームのサービスをまとめました。さまざまなジャンルのサービスがあり、実際にインタビューをして、課題解決に取り組んだチームもありました。どのチームも、とても素晴らし発表でした!

  • 『八王子学生グルメアプリ』(大学1年/引地)

サービス:八王子の個人飲食店を紹介してくれるアプリ

  • 『Pack』(チーム名:ハラール・マップ)

サービス:ムスリム向けのハラールフードマップを表示してくれるアプリ

  • 『飲食店向けのデータサイエンス』

サービス:データサイエンスを組み合わせた個人飲食店向けのコンサルティングサービス

参加者インタビュー

参加者インタビューとして、東京工科大学コンピュータサイエンス学部1年の引地翼くんに参加した感想について聞きました。引地君は、最年少の参加者で、Startup Weekendに初めて参加しました。大学授業の「価値創造演習」や「フレッシャーズゼミ」で興味を持って、参加しようと決めたそうです。

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↑発表時の引地君

  • 参加しようと思った理由は?

引地)人との繋がりが欲しかったのと、起業の方法について知りたいと考えたからです。

  • 大変だったことは?

引地)チームが1人だけだったので、やることが多くてとても大変でした。

  • 学んだこと

引地)顧客目線になって考えることの重要性と、1人の力でやることには限界があるのだと感じました。

  • サービスで工夫した点

引地)価格帯のレビューを付けることが工夫した点です。

  • 感想

引地)結構、大変なイベントでしたが、成長できる貴重な体験でした。

  • これから参加される方へ

引地)自分でできなかったことは、抱え込まずに他人に頼ることが大切です。

発表結果

優勝は、『Pack』でした!日本に在住のムスリムの願いを叶える素晴らしいアイディアです。評価されたポイントとしては、日本にあるイスラム教の方にインタビューを行い、課題を洗い出したことです。Packは、イベントが終わっても、続けていくそうなので、サービスリリースまで頑張って欲しいです。

おわりに

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コンピュータサイエンス学部では『価値創造』について考える授業や演習があり、多くの生徒が議論をしながらアイディアを組み立てています。その中で、興味を持った学生がイベントに参加しています。今後も開催して行くそうなので、学生や社会人に関わらず、ぜひ参加してみてください。僕も会えることを楽しみにしています!

「Cloud Native Dojo 2021」 を開催しました

2021年9月11日 (土) 投稿者: CSスタッフ

クラウド・分散システム研究室の小山です. 2021年8月25日と26日の2日間で学内の学部2年生を対象にイベント「Cloud Native Dojo 2021」 を開催しました.

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はじめに

Cloud Nativeは,クラウド技術を使用したモダンなアプリケーションの開発を促進する技術の総称です*.特徴的な技術には,クラウドやコンテナ,サービスメッシュやマイクロサービスがあります.すばやい変化が求められている現代のビジネスにおいて,柔軟かつ高速な開発を実現するためにCloud Nativeが注目されています.

* https://github.com/cncf/foundation/blob/master/charter.md

Cloud Native Dojoは,クラウド技術への理解と習得を目的としたワークショップです.対象とする参加者は,学部2年生に設定しました.これは2年生が基礎的な知識がある一方,研究室との接点がなく学ぶ機会が少ないためです.

スケジュール

2日間のイベントは,次のスケジュールで行いました. 講師はクラウド・分散システム研究室に所属する大学院生の小山,髙木です.

日程 プログラム
Day 1 AM 環境構築
Day 1 PM PythonによるWebアプリケーション開発
Day 2 AM Dockerによるコンテナ操作
Day 2 PM Kubernetesによるコンテナ管理

プログラムの内容

Day2 AMのDockerを高木が担当し,他を小山が担当しました.

[Day1] 環境構築とWebアプリ作成

環境構築では,必要なソフトウェアを参加者のマシンへインストールしました.全体の環境を揃えるため,WSL2 + Docker for Desktop + Python3.8 on WSLの組み合わせを採用しました.

Webアプリ作成では,Webアプリケーションフレームワークである Flask を使い簡単なWebアプリケーションを作りました.以下は実際に作成したフォームです.名前を入力し「送信」を押すと,次のページに入力した名前が表示されます.

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[Day2] DockerとKubernetes

AMはDockerコンテナの基礎について説明を行いました. Dockerコンテナのメリットを物流で使用されるコンテナの歴史を交えながら理解を深めました. ソフトウェアの開発では,開発環境の土台が安定しなければなりません.私たちが日頃使用しているOSSライブラリは日々更新され,これらの管理を人力で行うのは実質不可能です.この問題を解決したのがDockerコンテナであり,Dockerfileと呼ばれるコンテナ仕様書を使用します.OSカーネルライブラリ・SWパッケージ・ミドルウェア・アプリケーションを一纏めにすることで,前述のような更新の影響を受けることがなくなります.

実際にflaskのコンテナ仕様書からイメージをビルドし,コンテナを作成しました.

FROM python:3.8-slim
EXPOSE 5000 COPY flask-study/ /work WORKDIR /work RUN pip install --no-cache-dir Flask ENV FLASK_APP=form
CMD ["flask", "run", "--host=0.0.0.0"]

また,dockerに関するコマンドを学習し,作成したイメージをdocker hubへpushしました. PMではAMに覚えたdockerコマンドを駆使して1日目の続きを行いました.

作成したDockerイメージを学部のサーバ上に構築したKubernetes上にデプロイしました.以下の図はKubernetesクラスタに配備されたコンテナ(Pod)の一覧をkubectlコマンドで表示しています.

Cndj2021a

KubernetesではPodとServiceを作成し,外部へコンテナを公開しました.設定は,以下のYAMLファイルとよばれる形式で記述します.使用した設定ファイルは,GitHubに公開してあります.

apiVersion: v1
kind: Pod
metadata:
name: demo-pod
labels:
app: MySample
spec:
containers:
- name: demo-container
image: nginxdemos/hello

おわりに

参加者の皆さんは,二日間を通じて授業だけでは学べないより実践的な知識を得られたのではないかと思います.実際の感想やアンケートでも「授業の内容が実際にどう使われているか理解が深まった」や「丁寧に対応してもらえ楽しく理解できた」といったフィードバックがあり開催の目的を満たせたと思います.また,講師として教える事は,参加者の理解度にあわせて適切な情報量や説明が必要であると改めて学べました.今後もこうした取り組みを通じて,やる気のある学部生の皆さんをサポートしていきます.

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